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日本の「国会」の機能不全の状況と「あるべき姿」を考える

機能不全の国会

日本の立法府たる国会の機能不全の状況と「あるべき姿」について考える。

現在国会が開かれているが、全く無意味な議論が目立つ。スキャンダルを暴く場と勘違いしている議員が、特に野党に多い。森友学園の「追求ごっこ」を続けていた昨年・一昨年のワイドショー国会もひどかった。まったく「立法府」足る機関として悲しいくらいの低レベルさだった。その国会についてまとめてみた。是非ご覧を。

1.日本の立法府たる国会の状況

現在国会が開かれている。第198回通常国会で、平成31年(2019年)1月28日に招集され、新元号が公布された後の元年の6月26日までの予定となっている。

提出された法案の数は、58法案。史上2番目の少なさである。内容については下記に衆議院のページのリンクを示すので、ご参考いただきたい(➡衆議院ホームページ第198回国会法案一覧)。

まずは、昔習った「立法府」を復習したい。下に懐かしの「三権分立」の図を示す。

三権分立

日本は「法治国家」であり、物事の問題が起これば法律によって整理し、それに基づいて行政が行われる、というのが根本にある。会社で言えば、法律はルールでありそれを決める「会議」の役割を果たすのが「国会」である。

また、「行政府」と「立法府」とは分かれてはいるが、実質的には「行政府」の「執行機関(行政機関)」たる省庁による法原案が作られることが多い。一見は「行政と立法の混同」にも見えるが、国会議員よりも行政・法律を熟知している「行政機関」である省庁がその原案を作ることは、自然であることは言える。
会社で言えば、仕事をしている「現場」が立案をし「役職者(役員会)」が議決をする、といった感じになる。

その国会は多数決により決まる。国会の議席数は、行政権をもつ内閣を構成する自民・公明の与党が、圧倒的多数を占めている。

国会の議席数(2019 3/21調べ)
国会の議席数(2019 3/21調べ)

図の通り、衆議院で言えば全部で465議席のうち、自民党が282議席、公明党が29議席で計311議席となり、全議席の66%を占める。数字上は2/3を越え、衆議院の構成では憲法改正の発議も可能なほどに、与党が圧倒的に有利にある。参議院でも与党の有利は揺るがない。

「立法府」としてみたとき、過半数を占める方が議決を出来るため、数字上は与党が圧倒的有利にあるのが今の国会の状況である。

2.「探偵ごっご」を国会で行う野党の低水準

こうした状況の中で、目立つのは国会の議論のひどさである。特に野党は聞くに堪えない。

「立法府」とは、法案を審議・修正し最終的には多数決という議決により決定(可決)する場所である。これはともすれば「ゼロかイチの世界」にも見えるが、法律とはそれほど単純な物ではない。法律の文言一つによってその後の運用は大きく変わる。
会社のルールで考えれば分かりやすいと思う。ルールを決める際、その趣旨さえ決まればあとは内容になる。その内容を決める際には、運用上での誤解や混乱が生じないように、丁寧に決められると思う。またそうしないと、ルール自体がしっかりと浸透しない。

では今の国会で、特に野党がしていることは何か?

法律案はそっちのけで、自分の選挙のためだけにテレビ・マスコミで取り上げられそうな内容をあげつらって騒いでいるだけである。まったく「国会議員」という自分の職の意味を理解していないとしか思えない行為ばかりが目立つ。「国会議員」とは「立法府」たる国会の構成員である。国会議員が法律について語らずにそれ以外を語る事に何の存在意義があるのだろうか?

はすみとしこ氏 イラスト
はすみとしこ氏 イラスト

森友学園・加計学園に関するまったく無根拠な首相への追求は記憶に新しい。また、飲み屋での会話に基づく財務省の「セクハラ疑惑」での大騒ぎ、行政の「統計不正」といわれる問題に基づいて筋違いな首相等への辞任要求、とまったく意味がわからない行為ばかりをしている。
問題があるのなら、それらのことを改善・解決する「法案」を作るのが「立法府」の役割である。疑惑の追及なら警察・検察のやることであり、野党がやっているのは「探偵ごっご」に過ぎない。しかし実際は「探偵ごっご」ですらない。自分がテレビに映ってマスコミに取り上げられて選挙に有利になることを狙っている、単なる「クレーマー」あるいは「目立ちたがり屋」に過ぎない、と断言できる。

本来の役割である、『「法律」を語る「立法府」の一員』になってもらわないと困る。あれに税金が使われていると思うと、今の野党の議員には怒りしか出てこない。

3.更なる低次元のマスコミ(オールドメディア)

そしてその野党に便乗しているのがマスコミである。正確には「便乗」ではなく、マスコミが野党議員を「コントロール」しているというのが正しい。

ここで言うマスコミは、いわゆるテレビ・新聞といった大手メディアを指す。「オールドメディア」という表現が使われるようになってきたが、まさにそこに分類されるメディアのひどさは、程度の低い野党を越えている。「反日」という確信をもってやっているためである。
特に、日本のテレビ・新聞については、資本の関係やその歴史から、中国共産党・朝鮮半島(韓国・北朝鮮)とのつながりは、もはや否定のしようが無いといえる。ここでは詳細は述べないが、歴史的に見てもそれらの国との関係の根の深さは、日本に住む人間として知ることは必須と思う。

そして、国会について言えば、あまりに野党に肩入れしたマスコミの論調は完全に「扇動(せんどう)」と呼べるレベルに達している。いわゆる「プロパガンダ」と言われる手法で、世論を誘導し目的達成を図るものである。その歴史も古い。第一次世界大戦でもメディアはその役割を大きく果たしてきた。
私は昔から政治に興味があったが、なかなかそれが学校の話題にならなかった。学生時代には、「マスコミはもっと政治の話題を取り入れるべきだ」と思っていた。しかし、今のワイドショーなどの論調を聞けば(もちろん蔵田ラナイので見ないが・・・)、むしろ報道することの害悪を思うようになった。

今のマスコミは、自分たちの考えに沿う勢力を執拗に取り上げ、人々の耳や目に届け続ける。タレント・評論家を使って、堂々と嘘あるいは誇張を繰り返す。またもう一つ大切なことは、そうした時間を費やすことで、本来報道すべき大事な事を隠しているのである。よくいわれる「報道しない自由」を使いまくっている。

少し「マスコミ論」に偏ってしまったが、マスコミの国会あるいは政治家に関して話を戻すと、とにかく現状のオールドメディアは野党をことさらに取り上げている。
先ほど挙げたとおり、本来取り上げるべきは批判も含めて「与党」であり、その「法案」である。
今の国会の議員数の構成上、国民の生活に直結する法案を決めるのは与党である。その与党の質を上げていくのが、本来あるべき国の方向性のはずである。それが国民の幸せになる。
にもかかわらず、「法案」については詳細に取り上げることはなく、与党を取り上げたとしてもあまりに本質と異なるスキャンダルに終始し、個人の「人格」をあげつらって感情的に騒いでいるだけである。これでは「立法府」たる国会の質が上がるわけがない。下がる一方である。

今の国会のていたらくの原因は、マスコミの責任はかなり大きい。そしてそれを受ける側は、テレビ・新聞がそういった存在ということを知った上で情報を受け取らないといけない。まさに扇動により踊らさせる存在となる。

4.野党の追及・マスコミのレベルの低さに「あぐら」をかく与党

一方で、与党が全ていいのかと言えば、全くそうではない。一部の例外を除いて、与党議員も選挙のことしか考えていない。与党の中の圧倒的多数は、野党同様に選挙のことしか考えておらず、「立法府」的な役割を果たしているとは到底思えない。中央省庁の役人が作る法案を、党の方針に従って可決するのが仕事と勘違いしている人が、圧倒的多数である。

ただし、与党はさすがに「立法府」としての多数側だけではなく「行政府」を支える存在であるため、野党ほど現実離れしては居ない、という救いがある。それもあって「一部の例外」といえる与党の国会議員には、まさに立法府たる「国会」を引っ張る人として、注目に値する人は、少数派ではあるが確実に居る。

私の尊敬する青山繁晴議員(参議院議員:自民党)を始めとして、山田宏議員(参議院議員:自民党)、山谷えり子議員(参議院議員:自民党)、安藤裕議員(衆議院議員:自民党)、新藤義孝議員(衆議院議員:自民党)などの議論は、本当に勉強になるし、日本の未来を見据えた大事な仕事をしてもらっている。本当に尊敬に値する人々は確実にいる。

5.本来あるべき「立法府」

とはいえ、絶望しかないかと言えばそうとは思えない。「思いたくない」というのが本音ではあるが、日本の議員はそこまで愚かとは思っていないし、希望を持ちたい。

機能不全の国会
機能不全の国会

本来の国会の役割は「立法府」である。スキャンダルを騒ぐ場所ではない。その上で国会が本来の役割を果たすためには、それを構成する議員の知見が高まらないと話にならない。
本来の国会の役割を考えるには、会社に置き換えれば分かりやすい。ルールを作る側にいる会社の役員や役職者が何をすべきかを考えれば、「あるべき国会(立法府)」の姿は見えてくる。その上での具体論を考えてみた。

国会議員のあるべき姿・国会議員による勉強及び有権者に対するその報告(研修)
・行政の状況(現場)を常に把握する広い視点を持つための活動
・「国」という単位での運営の方法を学ぶための勉強(経済・歴史・経営等の各学問の修得)

といったところと思う。結果的に国会議員がその知見を持ち高めることが、「国会」という機能を正常に働かせる唯一の鍵と言える。

6.正しい議論を導くためには

それでは国会議員がそのようになるには、どうすればいいのか。やはり国会議員を選ぶ国民がそのプレッシャーを与え続けることと思う。「プレッシャーを与える」というと対立構造のように見えてしまうが、国民が「立法府」を理解して、そのあるべき姿を望み国会議員に要望することが、いい意味での「プレッシャー」と言える。

結局、国会議員を選ぶ国民が「立法府」を理解することが、国会議員を変え国会を変え、そして国全体が変わることになると思う。会社でも、役員や良い役職者がいれば組織は良くなるように見えるが、それは一時の期間である。結局は、会社を構成する社員の意識が高くなければ、良い方向には進まない、あるいは進んだとしても持続しない。

 

国民が厳しくかつ賢い目を持ち、いい意味でのプレッシャーを国民の代表である国会議員に与え続けること、それこそが唯一の「立法府」の機能不全をなくす方法と思う。一国民として、そんな意識を持って政治を見て、自分を高めていきたいと思う。

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