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トランプ大統領より先に「アメリカファースト」で大勝した「草の根大統領」と、その突然死が語る物は? ~ハーディング大統領の時代と日本と「大資本家(ロスチャイルド等)」の暗躍~

アメリカ大統領で在職中に死去したハーディング大統領とその時代を見ることで、当時の日本と、暗躍するロスチャイルド等の大資本家と、その先の世界情勢を見る

世界史はあまり得意ではないが、過去のアメリカ大統領を取り上げたい。あまり馴染みがないが、ハーディング大統領というトランプ大統領と似た大統領に興味を引いた。また、在職中に突然死していること、そして近代の日本を知る上でも重要な大統領であるため、まとめてみた。是非、お付き合いを。

1.トランプ大統領より先に「アメリカファースト」で大統領選に圧勝したウォレン・ハーディング大統領

私は日本史は好きだが、世界史はあまり得意ではない。いわんや、アメリカ大統領にはどうしても興味を引かれない。しかし、ここを知らないと「なぜ日本は第二次世界大戦に組み込まれ、アメリカと戦うことになったか?」が見えてこない事に気付く。
日本に大きな影響を与えたアメリカ大統領・政権は種々あるが、ここでは「ウォレン・ハーディング大統領」を中心に取り上げたい。ハーディング大統領とその前のウッドロー・ウィルソン大統領の時代を見ると、日本が世界大戦に引き込まれていくプロセスが少し見えてくる。
また、今に続く当時から変わらない構図が見えてくる。すなわち、大資本家達の「グローバリズム(ワンワールド)」に対して、それに抵抗する「ナショナリズム」あるいは「草の根の民主主義」である。

明治から大正へ
明治から大正へ

「アメリカファースト」は、トランプ大統領が常に主張している。しかし、およそ100年前に大統領になったウォレン・ハーディング大統領は先んじてそれを主張した。当時、疲れ切っていたアメリカに対して「アメリカファースト(America First)」そして「常態への復帰 (Back to Normalcy)」というスローガンを持って立ち上がり、圧倒的な支持を得て大統領となった。そして、彼の行った数々の政策は、大きくアメリカを繁栄に導く。

ウィルソン大統領とハーディング大統領
ウィルソン大統領とハーディング大統領

トランプ大統領と重なる部分が多いこの大統領は、在職中の突然死により任期を終えている。その後はスキャンダルがどんどんでてきて「アメリカ大統領史上最も活躍できなかった人物」とまで言われる人となってしまった殺人説・自殺説もあるがすべて「スキャンダルがあったから」と言われる。しかし、本当にそれだけの人なのか?しっかり見ていくと、とてもそんな単純な話とは思えない。

あまり名前を聞かないかも知れないが、この人物とこの時代を知ることで当時のアメリカの状況を把握でき、そして、当時の日本がどんどん追い詰められていく過程を見ることが出来る。また、現在にも通じる「世界の流れ」が見えてくる。

ウォレン・ハーディング大統領は1921年~1923年アメリカ大統領となり、そして在職中に突然死した人だった。

2.前政権は世界を大混乱に導いた「ウッドロー・ウイルソン大統領」。日本にとっても、最重要人物の一人!

(1) ウッドロー・ウィルソン大統領の時代と日本

ウッドロー・ウィルソン大統領
ウッドロー・ウィルソン大統領

ハーディング大統領を語るには、その前職であったウッドロー・ウィルソン大統領に触れないわけにはいかない。
この、ウッドロー・ウィルソン大統領は、アメリカのみならず日本・世界の近代史の上で最重要人物の一人と言える。
あえてレッテル張りをするなら、世界最悪の大統領でその後の世界の大混乱の芽をどんどん作っていた張本人、としておきたい。実際には「ウィルソン大統領とその政権の時代」と言うのが正しいが、あえてウィルソン大統領に対してその後の世界を無茶苦茶に導いた人、としたい。
ここでは詳細には触れないが、簡単に言えば

・ 反対する世論を押し切って、「第一次世界大戦」に参戦
・ レーニンを助けソ連を育てた
・ それまでの世界秩序をすべて破壊し、大英帝国(イギリス)を徹底的に無力化した
・ アメリカのドル支配の制度を遂に確立した
・ 国連(国際連盟)という名の下で、世界を一つにという、今日で言う「グローバリズム政策」を進めた

と言ったところである。これだけのことを一気にやってのけたウィルソン大統領は、有能でどんどん進んでいくタイプかと言えば違う。むしろ、ほとんど操り人形だった。バックにいたのは、特に目立ったのが、ロスチャイルド・JPモルガンなどの大資本家である。

明治・大正と4人のアメリカ大統領
明治・大正と4人のアメリカ大統領
ジェイコブ・シフ
ジェイコブ・シフ

少し時代を遡って見てみたい。

日露戦争に日本が奇跡的に勝ったのは、ロスチャイルドの一派とも言える「クーンローブ商会」の「ジェイコブ・シフ氏」から多額の融資を得たことが大きい。当時、外貨が全く無かった日本はこの融資によりなんとか戦争を維持できた。
この「ジェイコブ・シフ氏」はユダヤ人で知られ、当時のロシア帝国で行われていたユダヤ人の迫害政策(ポグロム)を心から憎むと共に、日本に多額に資金を貸すことで利益も得られることで、誰も買ってくれなかった日本の外債を多額の資金を拠出して購入した人である。ロシア革命にもレーニンなどの革命側に多額の融資をした。
ドイツ生まれのシフ氏は、幼少の頃はロスチャイルド家の家に住んでいたことから、どう考えてもその後の資金力は、ロスチャイルドの影響がないとは言えない。「ロスチャイルド系」といえる。

日本は日露戦争の勝利により、そしてその後の第一次世界大戦(欧州戦争)により、大きく世界帝国の一つとして名乗りを上げた。その頃、それまで最強であった大英帝国(イギリス)が衰退の一途をたどる。その後、あっという間に「超大国」としてのし上がったのが、アメリカ合衆国である。そして急成長したその2国が、数十年後に「第二次世界大戦」で、「なぜか」衝突し日本は大敗する。
そうした世界の流れを固めつつあったのが、このウッドロー・ウィルソン大統領時代、といってもいい

日本は、大急ぎの明治維新の時代を終え、一瞬平和に見える「大正」の御代みよに入る。しかし、世界は最強アメリカと、そのバックで操るロスチャイルド等の大資本家が、アメリカという国を通じて、すさまじい影響力を握っていくのが、この時代なのである。

高橋是清
高橋是清

このように、近代史においてロスチャイルドを頂点とした資本家グループ達の存在を無視しては歴史は見られない。実際、日露戦争は影の主役の一人は、日本ではその融資を取り付けた高橋是清これきよであり、その高橋が頼りにしていたのがジェイコブ・シフなどのロスチャイルド人脈だった。

話を、ウッドロー・ウィルソン大統領に戻したい。ウッドロー・ウィルソン大統領は民主党から突如出てきた候補者であったが、あれよあれよの内に大統領となった。そして、その後の動きは見事に「大資本家」の考える路線と合致する物だったと言える。その方向は簡単に言えば「旧秩序の破壊」と「ワンワールドの実現」である。
そしてそれは必然的に、「帝国」と呼ばれたドイツや日本と衝突する方向だったと言える

陰謀論を語る気はないが、これは「陰謀」ではなく、紛れもない事実であった。それを少し見ていきたい。

(2) ウッドローウィルソンが大統領になった「おかしな」大統領選

ウィルソン大統領が大統領選を争ったのは、当時まだ一期目で再選を目指す共和党のウィリアム・タフト大統領である。1912年、まさに明治から大正へと移る年がウィルソン大統領が当選した年だった。
ウィルソン大統領は民主党であり、それほど人気のあった大統領候補ではなかった。泡沫(ほうまつ)候補とすら言われていた。しかしそこに、なんと共和党の前大統領である「セオドア・ルーズベルト」が立候補を表明した。

1913年アメリカ大統領選挙
1912年アメリカ大統領選挙
ジョン・ピアント・モルガン(JPモルガン)
ジョン・ピアント・モルガン(JPモルガン)

もともと、ウィルソン大統領は「泡沫候補」とまで言われた学者で、必ずしも有力視をされていなかった。しかし、共和党が「ウィリアム・タフト」現職大統領と、新しく党を設立(進歩党)した「セオドア・ルーズベルト」に分裂したことにより、一気に「最有力候補」に躍り出た。

結果、1912年(大正元年:明治45年)の大統領選により圧倒的な票差によって見事大統領になったのは、ウッドロー・ウィルソンであった。

と、普通に聞くと、いかにもありそうな政治の対立の結果に聞こえる。しかし、ここで共和党タフトに対して同じく共和党前職のセオドア・ルーズベルトが立候補するという異常事態がなぜ起こったのか。
政治的対立や意見の違いなど種々の原因があるが、ここで重要なのは「ウッドロー・ウィルソンが勝利した」ということである。ウッドロー・ウィルソンはもともと学者であり、それほどの政治的実力はなかった。「上げる神輿は軽い方がいい」と言わんばかりの人物が大統領になり、その後世界を大混乱に導くのである。
この「異常」とも言える大統領選も、バックにはロスチャイルド・ロックフェラーに代表される、国際金融資本の動きを見逃してはいけない。突然出馬し共和党を二つに割ってしまったセオドア・ルーズベルトの資金源は、JPモルガンであったことは、広く知られている。彼らの動きの結果として「ウッドローウィルソン」が大統領となった、という推測は十分に成り立つ。

(3) 「どさくさ」で一気に作られたアメリカ中央銀行(FRB)

ウッドロー・ウィルソンの行った事は数々あるが、どうしても触れておかなければいけないのが、アメリカの中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)(FRB)を作ったことである。正確には「連邦準備制度(FRS)」を作ったのだが、分かりやすくアメリカの中央銀行を指すFRBで統一したい。
現在のアメリカの力(パワー)が「ドルによる全ての取引の支配」が最強の源泉にあることを考えれば、そのドルを作り出すFRBの設立は、現代に至るまでの大きな影響を与えている。
しかし、逆に言えば、アメリカの中央銀行(FRB)はこの頃までなかった。なぜなら、ロスチャイルドなどの影響が分かっていたため、大きな反対があったからである。

アメリカ中央銀行(FRB)
アメリカ中央銀行(FRB)

FRBは日本で言う「日本銀行」と同様に国の「中央銀行」として位置づけられる。国の「通貨」を発行する機関である。しかし、アメリカのFRBはかなり特殊である。実は株主は「国」ではない。あくまで「私企業」なのである。
そしてアメリカではこの中央銀行を作ることに反対意見が相次いでいた。なぜなら、それをすれば金融を握る一部の人(ロックフェラー・ロスチャイルド等)が国どころか政治・経済・人民を自由に左右させることが出来てしまうからである。しかしそれでも、強行にかつ姑息な手段で、ウィルソン大統領は成立させた。

その経緯を下記に「zakzak」の記事から引用したい(zakzak記事より)

 FRBが発足したのは、実はそう古いことではない。1776年の建国以来、アメリカ合衆国では、個々の銀行などが金準備を使って紙幣を発行する時代が長く続いた。しかし、1907年にロンドンで米銀の手形割引拒否に端を発する恐慌が起き、米国内の決済システムが混乱した。その対策としてJPモルガンやジョン・ロックフェラーなどの後ろ盾の下、1913年に、ウッドロー・ウィルソン大統領が「オーウェン・グラス法」に署名し、FRBが成立したといわれる。
 実際は1815年にイングランド銀行を支配下に置き、イギリスの通貨発行権と管理権を手中に収めたロスチャイルド家が食指を米国に伸ばしてFRBを設立し、事実上、米国の通貨発行権と管理権を手に入れたという見方が有力である。
 FRBを設立する法案を最初に議会に提出したのは、ジョン・ロックフェラーの義父に当たる上院議員である。しかし、この法案は民主党の猛反対で頓挫してしまう。そこでロスチャイルド家が目を付けたのが、1912年の大統領選挙で泡沫候補といわれていた民主党のウィルソン氏であった
大統領選は当初の予想を覆してウィルソン氏が勝利。新大統領はすぐさま法案を、年末で議員の多くがクリスマス休暇をとっている期間にあえて上程して、議会を通過させてしまう。この一連の法案成立の過程から、「ロスチャイルド家とウィルソン大統領との間でFRB設立を巡る密約があったのではないか」と指摘されるが、真実はいまだ藪の中である。(zakzak記事より)

少なくとも、FRBの設立を見れば、そして、その設立が大統領選挙に当選した翌年に手際よくやられた様を見れば、ウッドロー・ウィルソン大統領という人の大資本家とのつながりを指摘されても不思議はない。

なお、後にウッドロー・ウィルソン大統領は、
「私はうっかりして、自分の国を滅亡させてしまいました。私たちはほぼ完全に管理された最悪の統治国家に陥ったのです」
死の直前に後悔の言葉を残した、

という。

(4) その後の「第二次世界大戦」への導火線をつくった「 十四か条の平和原則」

もう一つ触れておきたいのが、これこそが世界に最大の悪影響を与えた「十四ヶ条の平和原則」である。アメリカが第一次世界大戦の終盤に参戦し、設立間もないソ連においてレーニンが出した「平和についての布告」に対応して出したもので、結果的にこれにより戦争終結の気運が高まった。

歴史の教科書にも良く出てくる「十四ヶ条の平和原則」は、一見すると平和的に見えるが、実はとんでもないものであった。「ソ連」に有利であり、アメリカ支配を狙わんばかりの内容で、この後の法外なドイツへの賠償請求と共に、世界を「第二次世界大戦」へと導くことになったのである

十四ヶ条の平和原則

1.講和交渉の公開・秘密外交の廃止
2.海洋(公海)の自由
3.関税障壁の撤廃(平等な通商関係の樹立)
4.軍備縮小
5.植民地の公正な処置
6.ロシアからの撤兵とロシアの政体の自由選択
7.ベルギーの主権回復
8.アルザス=ロレーヌのフランスへの返還
9.イタリア国境の再調整
10.オーストリア=ハンガリー帝国内の民族自治
11.バルカン諸国の独立の保障
12.オスマン帝国支配下の民族の自治の保障
13.ポーランドの独立
14.国際平和機構の設立

秘密外交の廃止や海洋の自由は、新興国アメリカにとっては願ってもないが、旧支配国の大英帝国(イギリス)等にとっては秩序の破壊でしかなかった。また、ロシア(ソ連)に異様に甘く、「民族自決」という名でバルカン諸国に独立を与えたことが、「第二次世界大戦」を引き起こしたとも言える。
しかも、この「十四ヶ条の平和原則」に加えて「無懲罰的損害賠償」も言っていたはずなのに、結局は、すさまじく多額の賠償金をドイツに課すことになった。そしてそれは、確実に「第二次世界大戦」の引き金となった。

この時点で、「第二次世界大戦」は種をまかれていたのである。その責をすべてウッドロー・ウィルソン大統領と言う気はないが、ウッドロー・ウィルソン大統領とその背後の資本家達が「第二次大戦が起こるように種をまいた」と言ってもまったく過言ではない

3.大統領選で記録的な圧勝をした「ハーディング大統領」とその政治

そんなウィルソン大統領だったが、そのウィルソン大統領の次に大統領となったのが「ウォレン・ハーディング大統領」である。なぜ、すぐにハーディング大統領に触れなかったかと言えば、民主党の大統領でやりたい放題やった後に、草の根の民主主義で当選した共和党の大統領、という、まさに現代とよく似た構図の大統領がハーディング大統領だからである。
似た構図とは、2016年のオバマ大統領からトランプ大統領への大統領の変化とである。
あくまで、「構図」の面から見たら、の話である。

オバマと¥トランプとウィルソンとハーディング
オバマとトランプとウィルソンとハーディング
ウォレン・ハーディング大統領
ウォレン・ハーディング大統領

前大統領は民主党のウィルソン大統領、そして出馬が不可能だったウィルソン大統領の次に大統領に着いたのは、共和党のウォレン・ハーディング大統領である。大統領選は圧勝だった。ウィルソン大統領の路線はアメリカを疲弊させ、あまつさえ「第一次世界大戦」にまで「巻き込まれた」という考えのアメリカの「草の根保守」は熱狂的にハーディングを大統領とした

ハーディング大統領は、派手さはないが、基本的には前政権の誤りを修正する形で政治を進めていった。スローガンは「常態への復帰 (Back to Normalcy)」そして「アメリカ第一主義(America First)」である。
当時でも考えられない高い関税をかけて国内産業の保護を図り、失業率を大幅に下げた。また、こうした孤立主義の観点から、国際連盟にも加入しなかった。

また、ハーディング大統領で言われている重要なことがある。それはFRBの否定である。FRBは民間企業であり、巨大資本家の意のままにあることを知っていたハーディング大統領は、「政府紙幣」の模索もしたと言われる。『「通貨発行権」に触れる権力者は長生きできない』、これは、暗殺された第16代リンカーン大統領、第35代ジョン・F・ケネディ大統領にも通じる。他にも、勇敢に「通貨発行権」と戦った大統領はいた。

ハーディング大統領は「敵を作らない」ことをモットーとしていて、改革を進めようにも議会等との折衝にかなりの苦労をしている。そういったこともあり、また、在職が短かったこともあり、「アメリカ大統領史上最も活躍できなかった人物」とまで言われるが、果たしてその評価は正しいのだろうか。

ただ、日本にとっては非常に厳しい政策をした人であることは指摘しておかないといけない。むしろ、日本を完全に敵視して政策を進めた。
この政権は、当時世界の5大国(日本・アメリカ・イギリス・フランス・イタリア)となった日本の台頭を徹底的に抑え、4ヶ国条約(1921年)に軍縮を日本にかなり厳しい条件で突きつける、そして日英同盟は破棄される事になる。
日本からアメリカの移民も制限され、人種差別的な扱いが強くなっていった。ハーディング大統領の時代も、「反日政策」はアメリカの方向性であったことは覚えておかないといけない。

4.あまりにもおかしい「在職中の突然死」とその後のスキャンダル暴露

ハーディング大統領は、在職中に突然死により大統領を降りる。アラスカ訪問からの帰途、列車中で倒れ1923年8月2日にサンフランシスコで死んだ。57歳の若さであり、在職わずか3年での死亡である
食中毒で倒れ、死因は脳卒中と発表された。脳梗塞とも心筋梗塞とも言われるがはっきりしない。現職の大統領の急死に国民は驚き、国中が深い悲しみに沈んだ。自殺説・他殺説が大きく取り沙汰された

ハーディング大統領の葬列
ハーディング大統領の葬列

その後次から次へと収賄罪や女性スキャンダルが出てきて、こんなスキャンダルまみれなら「死だけが彼を汚名から救うことが出来る」とまで言われて散々だった。
しかし、本当にそうなのだろうか?
先述の通り、ハーディング大統領は大資本家の最も嫌がる「通貨発行権」をも政策に入れていた。また、明らかにウッドロー・ウィルソン体制と異なる動きをした。「それが原因で暗殺された」と断言はできないが「その可能性が無いとは言えない」のも事実である。

夫人による毒殺説も有力な説として流れた。『ハーディング大統領の奇妙な死』という本を、後のFBIのエージェントだった「ガストン・ミーンズ」が書いたことにより、更に噂が噂を呼んだ。この本は「デマ」とされているが、少なくともはっきりした死因は特定されていない。
また、不仲だったといわれる夫人は、彼の死後1ヶ月間にわたってハーディング夫人は元大統領の公式及び非公式の書簡や文書を集めて燃やした。さら地元に戻りハーディング夫人は大統領の個人的な書類を集めて燃やすために多くの秘書を雇った。なぜそこまでする必要があるのだろうか?

どれもが謎ではあるが、少なくともハーディング大統領の突然死について、今だ明確な答えが無いことは間違いない。

5.ハーディング大統領とウィルソン大統領を見て

日本の歴史には直接的に関係が無いかも知れないが、アメリカのハーディング大統領ウィルソン大統領を取り上げた。

日本では大正であり100年近く前の話だが、その時代を日本と重ね合わせるとアメリカの大統領の状況は、実は日本に色濃く影響を与えている。そしてそれは、現在のトランプ大統領を巡る状況も同じであり、また日本に大きく影響があることも同じである。
また、そのどれにも「巨大金融資本」の動きが大きく影響している。時には、ひょっとしたら「大統領の生命」にも影響している可能性がある。

隣の国の話ではあるが、同盟国であり、歴史的にも日本はもろに影響を受ける国である。アメリカ大統領を通じた歴史の理解は、「日本の歴史の理解」に不可欠な物と言える。是非、興味を持って見ていきたい。

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