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「人よく道を弘む。道、人を弘むるにあらず(論語)」に思うこと

「人よく道を弘む。道、人を弘むるにあらず」 (論語「衛霊公」) に思うこと。

論語の一節を取り上げる。

人よく道を弘む

左が原文と書き下し文である。読んで字のごとくではあるが、訳文例は下記の通り。

「人が道(道徳)を作り広めるのであって、道(道徳)が人を作り広めるものではない。」

この言葉は、仕事でも意識するところである。自分が切り開いてこそ「道」が開けるものであり、本来はそうあるべきと説いているように見える。

とかく、他人や過去からの「道(やり方)」に固執してなかなか前に進まない場合が多い。過去は過去で尊重しつつだが、過去に作られた「道」を後生大事に守っていくことで「人が作られる」とは思えない。その過去の「道」も参考にしつつ、自らが「道」を作ることを意識して、初めて人の力になると思う。

「日本国憲法」を巡る議論も同じように思う。「憲法」(正確には憲法典(けんぽうてん))が人を作るのではない。人が憲法を作るのである。ルールに縛られることが目的化され、おかしいものでもそこから抜け出せないのは本末転倒である、と明確に言いたい。

人が道を作る。伝統や歴史を大事にしつつも、その感性を常に持ち続けたい。

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