- 2021-10-13
- 政治
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2021年の自民党総裁選から「政治家の見方」を「保守」の観点から考える
2021年の自民党総裁選は大いに盛り上がった。その理由は「保守」を明確に主張した高市氏の存在があったからと思う。長らく自民党総裁選を見てきた私も、あそこまではっきりと「保守」を明確にし、具体的な主張をした候補者は、安倍首相を含めても見たことがない。
しかし、この「保守」とい言葉がよく言われるが、一体どういうものなのか。私なりにまとめてみた。是非、ご覧を。
ページ目次
1.「政治思想マトリックス」とは?
「政治思想マトリックス」という物がある。ここの政治家や、政党、あるいは国の政治姿勢を「マトリックス」で表わして説明するものである。
マトリックスで政治姿勢を表わす、というのは、政治の立ち位置を見る上でたいへん分かりやすく、参考になる。しかり、「政治思想マトリックス」はいろいろなパターンがあるし、必ずしも厳格化されたフォーマット・ルールがあるわけではない。
今回の自民党総裁選は、いろいろな動きが見えて非常に有意義な物だったように思う。それを題材にして、「政治思想マトリックス」を作って分析したい。
2. 具体的な姿勢による分類 ~「皇室」・「財務省」・「China(中華人民共和国)」 ~
(1) 「皇室」に対する姿勢
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政治家の姿勢の分類は、私は大きく3つの指標を意識する。
「皇室(日本の伝統)」と
「財務省に対する姿勢」と
「China(中華人民共和国)に対する姿勢」である。
政治家を見る上で、まず第一に、日本をどのように見るかの「国家観」を確認したい。
そこは「皇室」というキーワードを用いれば見えてくる。あるいは「靖国神社」も加えてもいいと思う。
ここでいう皇室は、当然だが、皇紀で2600年は続く皇室は伝統どおりに「男系相続」を前提とした現在の皇室である。「女系」となればそれは「天皇」ではない別の制度である。
しかし、この当たり前のことすらまともに言える日本国民も政治家も、残念ながら少ない。そしていわんや実質的な日本の総理を選ぶ総裁選に出てくる面々が、それを当たり前にように言えないどころか、皇室破壊の「女系」まで言う人間がいる。この「皇統の維持」の姿勢を見れば、その人の「国家観」あるいは日本に対する「歴史観」が見えてくる。
靖国神社は、本来、明治維新からの死者の弔いのための大切な神社、と言うだけの存在だが、残念だがこれも「政治問題化」してしまった。そして、その靖国神社に対する姿勢を見ても、「国家観」は見えてくる。そして、靖国神社への思い入れが正しい人ほど、自然に「男系男子相続の皇室」ということになる。
ここで見えるのは、やはり高市氏の突出した正しい主張である。
・皇室は男系以外にあり得ない
・靖国神社へは必ず参拝する
日本人としてあまりに当たり前の事だが、これを見事に言い切ったのは「自民党総裁選」にでた人では初めてではないだろうか。「日本人としての最も基本的な部分」を堂々と述べた姿は、非常に印象的だった。
なお、他の候補は一応「男系維持」と言った程度である。岸田氏は強く主張していたが、河野氏・野田氏は「男系主張」と言っても全く信用に値しない。過去からの言動は、彼らはまったく「皇室に興味がない」のである。
(2) 「財務省」に対する姿勢
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「財務省の言うことと近いことを言っているか」「違うことを言っているか」で、その政治家の資質も明らかになると思う。財務省のいいなり、というのは、基本的に「日本は借金大国で財政破綻するから増税を」「緊縮財政をしないと日本は破綻する」という人達である。圧倒的多数がこちらと言っていい。
しかし、経済を少しでも知れば、それがいかに嘘であるかは明確である(過去記事 ➡「国の借金」にまつわる嘘を、資産(B/S)の観点から斬る!参照)。そしてそれを財務省が知らないはずはない。それでも財務省はその圧倒的な政治力を用いて、意図的に「嘘」を並べて自分達の有利なように進めていく。
財務省という視点で見た時、「財務省の言うことと同じ事を言っている人」というのは、結局の所、テレビ・新聞の言うことを鵜呑みにしてしまう人、と行き着いてしまう。政治家も同じである。
「日本は財政破綻する」、「プライマリーバランスが重要」、「消費税は増税すべき」、といった論調の人達である。一般の人で見ても、こちら側の人が圧倒的に多いのではないだろうか。
この視点で見ても、完全に「高市氏 対 他の人」という構図が出来上がる。高市氏でも弱いくらいと思うが、はっきりと「プライマリーバランスはインフレ目標(2%)を達成するまで凍結」というのは誰も言わないが全く正しい経済の王道である。本来は高市氏が真ん中に来ないと行けない。しかし、自民党の総裁選の現状がこうであり、そして悲しいことにそれが日本の現状となっているのもまた事実と思う。
財務省は、とにかく「増税」を狙いそこに「日本をよくする」という視点は全くない。となれば、政治家はその財務省とどのような距離を取るべきか、明確なはずである。しかし、財務省の超巨大な影響力にどの政治家も屈する。岸田氏は親戚縁者はすべて「財務省人脈」と言っていいほど、私生活から財務省にズブズブである。
河野氏・野田氏は、もともと経済に対する「定見がない」。こういうタイプの政治家は山ほどいて、例外なく「財務省の言いなり」になる。
政治家は、「財務省と戦える人」でないといけない。これは、日本をよくする上で必須のスキルと言える。しかしこれが出来そうな政治家は、私の知る限り10人はいない。高市氏はその高い学習能力で、十分それを可能にする人と思う。
(3) 「China(中華人民共和国)」に対する姿勢
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「親China(中華人民共和国)」か「China警戒派」か。最近はどんどん言われるようになったが、これは現状の政治を語る上で絶対に明確に見ていかないと行けない視点と思う。
しかし残念ながらこれも、圧倒的多数で「親China」が多い。経済界が顕著だが、マスコミから政治家から何もかもChina(中華人民共和国)の金にまみれながら、「共同作業」として、ウィグルやチベットの「虐殺(ジェノサイド)」に加担しているにもかかわらずである。
明らかに、習近平だけでなく「中国共産党」は「全世界の敵」にもかかわらず、それがなぜか声に出ないし、「政治姿勢」として打ち出せない。これは大問題である、が、この「軸」があることは事実としてしっかり見ておかないといけない。
そして悲しいことに、日本の政治かの大多数は「親China(中華人民共和国)」という状況にある。これは、直接的に「日本をどうしたいか」を如実に表わす。「日本はChina(支那)の属国になる」という道を、なんとしても防がないと行けない。しかし、こここそが、喫緊の日本の危機にもかかわらず、その危機感がない政治家・経済人・マスコミ・国民があまりに多い。
これに「くさび」を打つ形Chinaに対する警戒感と具体的な施策を主張していたのは、やはり高市氏一人であった、と言わざるを得ない。「反China(中華人民共和国)」は総合的なものである。日本に取って大きな課題を真正面から論じて主張しないと飲み込まれていく・・・。
3.大きな視点の「指標」は?
(1) 「保守」と「リベラル」
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「保守」と「リベラル(革新)」は最もよく聞く概念といえる。政治を見る上では、この視点は最も重要と思う。
しかし、この「保守」という言葉も「リベラル」という言葉も、まったく都合のいいように使われているし、「定義」がはっきりしない。しかし、政治を見る上では重要な「指標」のためそれなりに明確にしたい。
広辞苑を見ると下記のように示してある。
旧来の風習・伝統を重んじ、それを保存しようとすること。
【 リベラル(革新) 】
個人の自由、個性を重んずるさま。自由主義的。現状を変えようとする。
これでもわかりにくいが、なんとなくのイメージはつくと思う。しかしそれでも、立憲民主党の蓮舫氏が「私は保守」と言うくらいだから、意味が全く分かっていないのだろう。
私の理解する保守とは、『国・地域の伝統を重んじて、守るべき伝統は「保守」し、その上での必要な改革を行う』と理解する。
一方で「リベラル」は、これもまたあいまいな表現となってしまっている。カタカナで意味ははっきりしない。語源である「Liberty(自由)」は「自由」を意味するが、政治的に日本で使う時は特に、「左翼」を指すと言っていい。
『リベラルとは、左翼と呼ばれたくない人たちの自称』と言ったテレビ解説者がいるが、まさに言い得て妙である。現在の政治において自分を「リベラル」と言う人は、基本的には「左翼」であり、すなわち「伝統を破壊する人達」と言える。
では、保守とリベラルで主張を分けて見ると、簡単に言えば下記のようになる。
【保守】
・ 憲法改正に積極的(改憲派が多い)
・ 集団的自衛権を行使できるようにした安全保障関連法支持
・ 改正組織犯罪処罰法(「共謀罪」法)支持
・ 原子力発電を維持
・ 伝統的な家族形態が大事(選択的夫婦別姓に反対)
・ 首相の靖国神社公式参拝に賛成
【リベラル】
・ 憲法改正に消極的(護憲派が多い)
・ 安全保障関連法は憲法違反として反対
・ 「共謀罪」法に反対、原発ゼロを主張
・ 夫婦別姓に賛成
・ 首相の靖国神社公式参拝に反対
ではその上で、今回の総裁選候補をグラフで表示すると、次のようになるのではないだろうか。全くの「私見」のため間違いはあると思うが、あえて図にしてみる。
上記の通り、保守とリベラルという最も重要な指標において、「高市氏 対 その他」の構図に近かったと言える。
リベラルは「改革派」とも言える。現状を変えていこうという姿勢は、河野氏や野田氏の「女系天皇、夫婦別姓、原発反対」などを見れば「リベラル(左翼)」と呼ぶにふさわしい。河野氏は口では「原発容認」を言ったが、全く信用出来ない。活動家まがいとい組んでまで「反原発」をずっとやっていた人が、今更「原発容認」を言っても信用に値しない。
岸田氏は、両者に比べれば「保守より」ではあるが、基本的な考え方は「リベラル」に近いように見られる。
となれば、高市氏のみが「保守」と呼べる人、であった。皇室は当然男系維持であり、憲法改正を強く主張し、靖国神社への参拝も「そもそも国際問題になっていることがおかしい」としていた。明らかに「日本」を強く意識した、真の「保守政治家」に見える。
この「保守」と「リベラル」による分類は、その他の政治姿勢にもどんどん当てはまっていく。最も重要な指標である。そして、これは「右か左か」とい二極化の議論をすべきものではない。
重要なのは「どちらかによれば偏りすぎ、ということではない」ことである。
本来、日本のことを考えれば当たり前のように「保守」になる。「保守」が中心のはずである。にもかかわらず、総裁選で「保守」が高市氏一人、という状況は、それ自体が異常と言わないといけない。高市氏が3人いて、始めてまともな総裁選と思う。「保守」の考えこそが日本を強くする。自民党は「保守政党」であるはずなのに、なぜ「リベラル候補」が幅をきかせ、「保守候補」が一人しかいないのか?
高市氏がいなかったら、どんな総裁選になっていたか、考えただけでもゾッとする。
(2) 「グローバリズム」対「ナショナリズム」
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「グローバリズム」は最近特に言われる「指標」である。全世界的に使われ、「グローバリズム経済」などという。地球を一つの共同体と見なして、世界の一体化を進める考え方である。
その対象となるのが「ナショナリズム」である。「ナショナリズム」は閉鎖的に聞こえるかも知れないが、「自国の経済の発展を目的とし、世界とのつながりは限定的な物とする」ということで、「閉鎖的」というネガティブなものではなく「自国中心」と言っていい。
「グローバリズム経済」と言われ、経済などで使われるが、実はこの考え方は「保守とリベラル」と非常に似通ってくる。
では、この指標で分類するとどうなるか。これも全くの私見であることをお忘れなく。
これも残念ながら「グローバリズム」の方が勢力は大きい。グローバリズム勢力、と一口に言ってもいろいろあるが、基本的にはそれはイコール「親China」に成らざるを得ない。一昔前なら、「親アメリカ」がグローバリズムと言われることが多かったが、現在はとにかく、「China」の勢力が「既存を壊す」という動きと共に「グローバリズム」が言われる。
ただ、ここで注意すべきは「グローバリズム」は決してChina(中華人民共和国)が中心人物ではない。また、決して最近の考え方でもない。第一次世界大戦のアメリカなど、まさに「グローバリズム勢力」の急先鋒だった。これには、国際金融機関(ロスチャイルド系・ロックフェラー系 etc)なども大きく絡んでいるので、「グローバリズム勢力」は超強力といえる。
しかし、グローバリズムという概念は残念ながら「日本らしさ」とは程遠い考え、と言わざるを得ない。むしろ「日本の破壊者」である。「日本を守る」ならば、「ナショナリズム」をしっかり持った上でこの「グローバリズム」と如何に付き合っていくか、これが大きな課題である。「取り込まれる」などというのはもってのほかである。
(3) 「線」でなく「円」で見る方が正しい!
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政治を考える上で、こうした「指標」で見る事は、あえて物事を単純化する上で重要と思う。冒頭で述べた「マトリックス」ではないが、先述のように「左右」に分けて見ることで、少し政治姿勢が見えてくる。
しかし、この形だと「右と左で極端に分かれている」と誤解されがちだし、正確に日本の状況を捉えていないように思う。本来は、「高市氏が普通」のはずである。私が考える本来の総裁選、あるいは政治のあるべき姿は、高市氏の洋に主張する人が3人でてきて、始めてまともな「日本のための議論」が出来ると思う。
と考えると「保守」は右側ではなく、本来「中心」なのである。
「保守」を中心にした図を見ると、大分見え方が変わると思う。よく「右翼・左翼」と言うが、これでは「両極端が存在する」と勘違いさせる。
本来、国を考えれば「保守」あるいは「日本の伝統と文化を大切にする」ことが中心にあり、それ以外はすべて「その他」のはずである。真ん中から遠ければ遠いほど、「伝統の破壊勢力」と言うことになる。
4.「保守」とはなにか、「リベラル」とはなにか、「改革派」とはなにか
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「保守」とい言葉をよく耳にするが、立憲民主党の代表が「自分は保守」というくらい、無茶苦茶な使い方をされている。
本来の保守とは、「日本の伝統と文化を大切に、日本を守り、その上で世界と共存する」と言える。具体的にはいろいろあると思うが、「日本の伝統」と言えば皇室であり、歴史である。「日本を守り」、とは「領土・領海を守る」と言うことである。それらを言わない人間が「保守」というのは、まったくおかしい。日本語が分からない人がしゃべっていると考えるレベルである。
「保守」という言葉の意味を考えるには、自分を「保守」という人に対して
『あなたは何を「保守」することが保守と思うのか』
と聞けば、内容は見えてくる。その答えが「世界平和」とか「日本の未来」とか漠然とした物しか言えない人は、「保守」という言葉を真面目に考えていない、と言っていい。
「保守」をこのように考えれば、その対極にある「リベラル」あるいは「左翼」と言われる概念が見えてくる。要するに「伝統の破壊」あるいは「国の破壊」を言う人達、と考えていい。
これは、日本だけではない。アメリカでもヨーロッパでも、殊更に「世界平和」だとか「人権重視」と言ってそれを口実に伝統を破壊する勢力である。こちら側に、ビッグテック(Big Tec)と言われる巨大IT企業がいることが、この流れが進んでしまう大きな要因になっているが、概念として「保守に対するもの」という勢力があることを知るべきである。
そして彼らは自分達のことを、「改革派」という。私に言わせればそれは、「伝統破壊者」あるいは「無秩序派」と呼べる。彼らに明確な「未来のビジョン」はない。伝統を破壊し自分達が「統治する」、それだけが「目的化」し人類のためとか国のためとか言う考えは、一切ない。
【保守】
・ 憲法改正に積極的(改憲派が多い)
・ 集団的自衛権を行使できるようにした安全保障関連法支持
・ 改正組織犯罪処罰法(「共謀罪」法)支持
・ 原子力発電を維持
・ 伝統的な家族形態が大事(選択的夫婦別姓に反対)
・ 首相の靖国神社公式参拝に賛成
【リベラル(革新)】
・ 憲法改正に消極的(護憲派が多い)
・ 安全保障関連法は憲法違反として反対
・ 「共謀罪」法に反対、原発ゼロを主張
・ 夫婦別姓に賛成
・ 首相の靖国神社公式参拝に反対
5.政治家を「分類」して、しっかり姿勢を見ていこう!
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「政治は難しい」「政治のことはわからない」と言う人が多い。しかし、政治は人々の生活・人生、国の未来を決める。難しいと言いながら「政治を見ない」では、政治は悪くなる一方である。
今回のように、「政治家を分類する」ことで、いろいろ見えてくる物があると思う。ろくでもない政治家が非常に多いが、高市氏のようにしっかりとした「国家観」と「その方法」を情熱を持って政治家として活躍してくれている政治家もいる。
それらの人をしっかりと「見極め」そして応援していけば、必ず日本は輝きを持った国になると思う。
日本人が日本と先人(先祖)に誇りを持って生きて行くことは、「保守」の観点をみれば、そんなに難しいことではない。しっかりと政治家を見て、「保守」を大切にしていけば必ず日本人の未来は良い方向に行く。
コメント
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今回の総裁選は高市さんが1番に立候補した事によって何か救われたと思いました。日本の事を本気で考えてる発言だった。高市さんが選ばれなかったのは残念だけど、これから先もしっかり見極めていきたいです。
本当に高市さんはすばらしい政治家です。
総裁選で敗れたのは残念すぎるけど、知名度は格段に上がり次の有力候補になったことだけでも、大きなプラスです。
日本初の女性首相は彼女しかいない!