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「世界を怖るるな、唯(ただ)自己を怖れよ。」(杉浦重剛)に思う

明治・大正の思想家 杉浦重剛の言葉「世界をおそるるな。ただ自己をおそれよ。」に思う

短い言葉だが、私の心に非常に深く残っている言葉が、今日取り上げる言葉である。杉浦重剛(すぎうらじゅうごう)という聞き慣れないかも知れない人の言葉だが、現代にも通じる大切な言葉と思う。

「 世界をおそるるな。ただ自己をおそれよ。」

あまり知られていないが、杉浦重剛(すぎうらじゅうごう)と言う人の言葉を取り上げたい。人物の前に言葉から。

世界をおそるるな。
ただ、自己をおそれよ。

杉浦重剛 天台道士語録より

その意味するところは、以下の通りと言われる。

志を立て何かをなそうと励めば、当然世間は厳しいが、それを恐れることはない。

逆に怖れなければならないのは、自分自身の思い上がりやあきらめ、甘えの心である。目的を忘れず自己管理を怠らないことだ。

明治・大正の時代に生きた杉浦重剛すぎうらじゅうごうだが、その言葉は現代にもまったく通じる。というよりむしろ、現代の方が深く意識すべ言葉のようにも思う。

先ず第一に、志を立てるということ自体を自分の中で否定してはいないだろうか。そして、立てた志を、他ならぬ自分があきらめていないか。若しくは、思い上がっていないか。「ただ、自己をおそれよ」という短い言葉には、非常に深く力強い意味を感じる。
「世界をおそるるな」ということは、「世間など気にするな」ということである。そして一方で、あきらめたり、思い上がるような自分を見つめよ、ということと思う。

杉浦重剛(すぎうらじゅうごう)とは

杉浦重剛氏
杉浦重剛氏

杉浦重剛すぎうらじゅうごうが生まれたのは安政2年(1855年)でまさに明治維新の「安政の大獄」のまっただ中だった。その後、出来たばかりの明治政府に仕え、当時の文部省と東京大学に勤めた。その後に読売新聞・朝日新聞の社説を担当し、社会に大きな影響を与えた人である。
若き日の昭和天皇とそのご兄弟の「倫理」の教師としても有名である。

日本を深く愛し、その国の文化や伝統を大事にすべきと「国粋主義」を主張した。「国粋主義者」として紹介され、いわゆるところの「右翼」の一人かのように言われるが、そんな浅薄な知識の持ち主ではなかった。ロンドンにも留学し、西欧を見た上での「国粋主義」という帰結であった。

深い見識と確かな情熱を持って、日本や日本人のあるべき姿を主張した。「欧化」といわれ西欧に習うという当時の明治政府の進め方に疑問を呈した人物であった。
亡くなったのは大正13年(1924)。70歳になろうかという年に亡くなった。昭和の時代を見る前に亡くなった杉浦重剛すぎうらじゅうごうは、その後の昭和の時代、そして今の日本を見て、何を思うのだろうか。

ただ、自己をおそれよ」に思う

まさに現代にも通じる言葉と思う。誰しも何かをするときには不安になる。また逆に、自分に甘くなり「思い上がり」の気持ちが出ることもある。そんなマイナス方向に思う自分を「おそれよ」という言葉は、深く胸にとどめておきたい。「世界をおそるるな」、すなわち「世間を気にするな」と言う言葉と共に、大事にしたい言葉である

世界をおそるるな。
ただ、自己をおそれよ。

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