「世の人が元気をなくしており~」とい渋沢栄一氏の言葉から、武漢ウィルスに伴う自粛のまっただ中の今こそ学ぶ
渋沢栄一氏の言葉を取り上げたい。江戸時代に生まれ、昭和まで生きた渋沢栄一氏は、「日本の資本主義の父」とよばれ多大な功績を残した。そんな渋沢栄一氏は非常に明るく前向きな考えを持って、日本を牽引した。そんな渋沢氏の言葉を、武漢コロナウィルスによる自粛で「元気をなくしている」今こそしっかり見てみたい。是非ご覧を。
1.渋沢栄一の言葉「世の人が元気をなくしており~」
「日本の資本主義の父」と言われる、明治の志士であり官僚であり実業家であった、渋沢栄一氏の言葉を取り上げたい。
社会の発展が停滞している。
いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、
さらに大きな計画をして発展させ、
世界と競争するのがよいのだ。
意味は読んだとおりである。武漢ウィルスの影響により、日本のみならず世界も含めてだが、まさに混乱している。「自粛」という名のほぼ強制に日本人として協力し、まさに「自粛」している日本の現状にピタリと当てはまる言葉に思える。
こんな時こそ「いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、」として、こんな混乱の現在を表わしているように思う。渋沢栄一の時代は江戸から明治・大正・昭和とまさに混乱期であったためにこの言葉となったのだろうが、今でも十分当てはまる。
そして、「いままで」に固執する発想ではなく、次に続く言葉の「さらに大きな計画をして発展させ、世界と競争するのがよいのだ」という言葉に、「力強さ」と共に「明るさ」を感じる。
こんな混乱の時期だからこそその次を考え、それによる「元気」あるいは「明るさ」こそが次を作ると、渋沢栄一氏は語っていると思う。
渋沢栄一氏は、「頭のいい人」といった印象や、「学者肌で経済成長を考える堅物」といった印象があると思う。しかし頭がいいだけではなく、渋沢栄一氏は非常に気さくで、人なつっこく、明るい性格であった。そんな渋沢栄一氏の一面が見られ、そして現在の日本や日本人にも、強く当てはまる言葉と思う。
2.渋沢栄一の歩み
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渋沢栄一氏は、天保11年(1840年)生まれで、昭和6年(1931年)まで生きた人で、当時では異例の91歳まで生きた人であった。ペリー来航前の江戸時代末期に生まれ、明治・大正・昭和と激動の日本を生き、日本を強く牽引した人だった。
埼玉で生まれ、農家ではあるが手広く事業を展開する家に生まれた。父親の影響により若い頃から学に努め、特に漢学(China(中国)の学問)に通じた。渋沢の生まれたのが1840年でペリーの来航が1853年であるから、それからの激動の明治維新には十分に関わっていた。
もともとはいわゆる「尊皇攘夷(そんのうじょうい)」派で江戸幕府の倒幕に燃えた若い頃を過ごしていた。過激派の一人だったとも言える。しかし、最後の将軍となる徳川慶喜(よしのぶ)に接した後に、徳川幕府の幕臣として働くこととなる。その後、徳川幕府が倒れた後には、明治政府に使えることとなり、大蔵省の官僚として活躍した。
しかし、明治政府に仕えると言ってもそれを自分の天分とは思えず、「明治6年政変」の時に当時の大蔵大臣、井上馨(かおる)と共に明治政府を去る。その後は、実業家として活躍をし、特に銀行業を手広く進めた。
今の「みずほ銀行」の母体の一つである当時の「第一国立銀行(後の「第一勧銀」)の頭取となりそれを大きくしたことが渋沢の出発点である。その後、設立に関与した企業には枚挙にいとまが無い。東京瓦斯・東京海上火災保険・王子製紙・東京証券取引所・麒麟麦酒(現:キリンビール)・サッポロビール・東洋紡績(現:東洋紡)など、今の日本を支える企業を育てたのが、渋沢栄一氏である。まさに、「近代日本の経済の父」と言われる理由はここにある。これだけの企業を、銀行業を通じて大きく奨励し、発展させた。
そしてその活躍は実業界だけにとどまらない。「国家感」を持って実業を行っていた渋沢氏にとって、教育は大きなテーマであったので「日本女子大学校」(現在の日本女子大)や商法講習所(現在の一橋大学)の設立にも関わっている。
また一方で、経済の発展に伴う貧富の格差を心配した渋沢は、孤児院や養育院などを運用する団体に寄付するなど、社会事業にも情熱を注いだ人である。
3.渋沢栄一 氏の言葉を見て思う
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新一万円札に選ばれたのは、渋沢栄一であった。発効されるのは4年後の「令和5年」となる2024年の予定なので、少し先ではある。しかし、この人選には「令和」と同様、私にとっては非常に喜ばしい結果だった。デザインについては少し異論があるが・・・。
「世の人が元気をなくして」いるいまこそ「いままでの仕事」にとらわれず、「さらに大きな計画を発展」させる、という強い気持ちと明るさを持って、現在の状況を乗り切っていきたい、と思う。
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