「ジャパンディスプレイの失敗」を教訓に!

ジャパンディスプレイ(工場)

巨費を投じられた国策企業のジャパンディスプレイが中国系企業に叩き売りされた事実を見る

ジャパンディスプレイ」という日本の技術の粋(すい)を集めた企業が、2019年4月12日、中国と台湾の企業連合から金融支援を受けることで合意したと発表した。前から噂されていたものである。結果として中国及び台湾企業の傘下に入ることとなった。その買収金額はわずか600億円で、その結果、数千億の血税が注ぎ込まれた企業が経営権を奪われることになった。その経緯と、そこから学ぶことを考えてみた。是非ご覧を。

1.国策企業として巨額の国費が投入されたジャパンディスプレイ

ジャパンディスプレイ」という企業は、民主党政権末期の2012年(平成24年)に官民ファンド「産業革新機構」(現 産業革新投資機構)の肝いりで設立された。当時の日本の製造業はバタバタと倒れている真っ最中だった。今も大きくは変わらないが・・・。
SHARPが、経営不振により台湾企業の鴻海(フォンファイ)と資本提携し始めたのもこの年である。また経営不振の三洋電機がPanasonicと提携したのもこの時期である。最終的には中国企業のハイアールにたたき売られて、「SANYO」は文字通り消滅したが・・・。

ジャパンディスプレイの設立
ジャパンディスプレイの設立

そんな頃に、生まれたのが「ジャパンディスプレイ」である。ソニー・東芝・日立製作所の液晶部門を統合し、「日の丸メーカー」として液晶ディスプレイの製造・研究を行う有力企業として設立された。

とはいっても、やはり厳しい価格競争により疲弊した日本企業が集まって巻き返しを図るものであった。当時は「弱者連合」と言われたりもしている。その設立を主導したのが、経済産業省が所管所管する「産業革新機構」である。現在「産業革新投資機構」と名を変えている。

「官民ファンド」と言われるが、基本的には省庁の天下り先と断じざるを得ない。本来は、民間だけでは投資されない企業などを応援する、という存在なのだが、投資案件は失敗が多く、ことごとく投じた資本を毀損(きそん)している。2018年(平成30年)の年末には、所管の経済産業省に対する反発から、民間出身9人の経営陣が一斉に辞任するなど、問題が多い。

しかし、とにかくも日本企業の再生を図りまさに「産業革新」を目的に、中国・韓国勢に飲まれていた液晶パネル事業を盛り返すべく誕生したのが「ジャパンディスプレイ」であった。

2. 中国企業に叩き売りされた国策企業「ジャパンディスプレイ」

「弱者連合」と揶揄(やゆ)されたジャンディスプレイであったが、日本の技術を結集して設立した企業で期待の中で船出した企業であることは間違いない。

ジャパンディスプレイ売上及び損益
ジャパンディスプレイ売上及び損益

しかし、その経営は迷走を続ける。それなりの技術革新はあったが、利益はなかなか出ず、ほとんどゼロに近い状態から、2018年度(平成30年度)では2,000億円もの赤字となった。売上は2016年度をピークに下がり続けている。直接的にはiphone関連の受注に肩入れしすぎた結果、iphoneの不振に伴い業績が傾いた、といわれるが、それは一つの現象に過ぎず当初から経営は右往左往していた。

 

下がるジャパンディスプレイ株価
下がるジャパンディスプレイ株価

それに呼応するように株価は下がり続ける。当初800円あった株価は、今では1/10以下となっている。
それほど安くなった今の状態で出資を引き受けたのが、台湾のタッチパネル大手TPKホールディングや中国の投資会社ハーベスト・テックなどで構成するSuwaコンソーシアム、である。出資の引き受けに関する交渉は2019年(令和元年)5月18日時点ではまだ紆余曲折を経そうであるが、外資が筆頭株主になることは間違いない情勢である。

4月14日の発表を前提とすると、それまで筆頭株主であった官民ファンドの「産業革新投資機構」の出資比率は、25.3%から12.7%に低下する。そして筆頭株主が外資連合となる。

しかも、それは人権を無視する政権で日本侵略を続けている中国共産党の支配下企業である。この事実はあまりに報道が少ない。矮小化(わいしょうか)して報じすぎではないだろうか。資本の理論で中国系が買収すること自体はどうしようもないが、その経緯・結果は日本人の生活に直結する重要な情報と思う。しっかり知った上で見ていく必要がある。

これこそが外資、あるいは支那の中国共産党政権による現在の「侵略」というべきものの実態である。このジャパンディスプレイの買収劇とそっくりなものは、過去にもある。SHARP、三洋電機、など日本の名だたる企業が、狙い撃ちされたかのように倒れるか、あるいは外資の傘下に入っている。その外資が特に中国系の場合には、その戦略は明確である。中国系企業は、必ず中国共産党の党員を役員にしないといけない。そしてその下で行われるのが、技術の流出とリストラ等による企業の衰退である。ここ10年の結果が物語っている。そのうちの一つが今回の「ジャパンディスプレイ」なのである。

3.「エルピーダメモリ」という過去と同じ経緯をたどる日本の製造業の衰退

ジャパンディスプレイの中国資本の傘下入りは、業界に詳しい人には前々から言われていた。そのキーワードに「エルピーダメモリ」という企業の失敗があった。

エルピーダメモリ倒産
エルピーダメモリ倒産

エルピーダメモリは1999年に日立とNECがDRAM部門を統合したことから発足した日本企業であった。ジャパンディスプレイと同様に、当時半導体事業が中国・韓国勢に追い込まれる中、半導体の中核であるDRAM部門を統合し、それにより日本メーカーの巻き返しを図ったものであった。なお、当時の日本の苦境には、やはり「円高」が大きかった。

このエルピーダメモリも失敗続きで、結果的に2012年に会社更生法を適用、その翌年にアメリカ企業の「マイクロン」が全株を取得した。現在は「マイクロンメモリジャパン」という名前になっている。完全に外資企業となったのである。このエルピーダメモリの倒産時の最高経営責任者(COO)の坂本幸雄氏であるが、この人はエルピーダを通じてかなり中国・台湾に技術を流したと言われる人である。そしてその一番の腹心だったのが、後にジャパンディスプレイの社長となった大塚周一氏である。

大塚周一 前社長
大塚周一 前社長

大塚氏が社長となったとき(2012年)、その頃からジャパンでスプレイがエルピーダメモリと同じ道をたどるのではないか、という観測は流れていた。しかもその後の動きも、買収されるために動いたとしか思えないものだった。ジャパンディスプレイの上場を押し進めたのは、大塚氏である。かくして2014年に上場を果たすのであるが、当時からジャパンディスプレイに上場企業としての力はない、といわれていた。そして上場したことにより、買収の対象になったと言うことである。

そして上場からわずか5年で、中国系企業の買収を許すことになった事を見れば、その流れがエルピーダメモリと酷似する。上場させて潰す」という手法は、繰り返し行われている。歴史の教訓として見ておく必要がある。

なお、このジャパンディスプレイの陰に今話題のHUAWEI(ファーウェイ)があるという指摘もある。それほどの戦略の中で行われている。

4.国防上の問題もある買収劇

今アメリカは、徹底的に中国共産党支配の排除を進めている。その徹底ぶりは、アメリカの本気をうかがわせる。それほどにハイテク産業の支配は危険を伴うと言うことである。

そしてこのジャパンディスプレイの買収により、中国系企業に日本のハイテク情報が流れることも問題視されていると言われる。すなわち、中国系企業に買収するという日本の行為は、アメリカから見れば技術を中国共産党に渡すこと、と見られる可能性があるということである。

5.「ジャパン」という名のつく中国系企業となる皮肉

ジャパンディスプレイ(工場)
ジャパンディスプレイ(工場)

このように、ジャパンディスプレイの買収の話は、単なる一企業の話ととらえると真実を見誤る。まだ、この買収劇は二転三転する可能性が高いが、とにかく、かなり計画的に行われている。それをマスコミが全く報じないが、事実は根が深い。
日本の国費が投じられた国策企業が、作為的にその技術と資本を海外に、特に中国系に、とられた」と見るべきである。しかも、それは単発の物ではなく、「エルピーダメモリ」という酷似したケースがあることを見ることができる。

そして「ジャパン」という名のまま買収されることで、「日本企業」のイメージをそのまま中国共産党の息のかかった中国系企業が持つことになるのである。それこそが、支那であり韓半島の昔からの戦略で、文字通り「日本ブランド」のいいところだけを取ることが出来るのである。この事実を、当の日本人が知らないままというのが大問題であり、それを報じないマスコミがどこを向いて報道しているかを伺うことが出来る。

しかも、次も噂されている。それが「ルネサス」である。三洋電機・NEC・日立から半導体部門が独立して統合したこの会社は、先の「産業革新投資機構が筆頭株主であるが、すでに中国資本を受け入れ共同CEOには中国人がなっている。まさに、エルピーダメモリ、ジャパンディスプレイと同じ道をたどろうとしている日本の「国策企業」なのである。

6.ジャパンディスプレイ買収劇に学ぶこと

日本の製造業が目も当てられないほど衰退して等しい。しかし、それに対して冷静に分析したマスメディアは皆無とも言える。マスコミがいうような、日本が若しくは日本人が怠けていたり劣化したりしたわけではなく、周到な戦略があることを知るべきである。

そして、ジャパンディスプレイやエルピーダメモリのような事がないように、少なくとも税金が投入されているような企業に対しては、注視しないといけない。また、「ルネサス」のような予備軍も多い。また、必ずしも大企業でなくとも、というよりむしろ、日本の製造業の神髄が中小企業であることを、中国共産党はわかっている。そしてそれに標的を定めて買収するか潰すかをしているのである。
こうした事実は、中国共産党が悪い、と一方的に言う気は無い。まずは日本人が現状を正しく理解することが重要である。そして、正しく理解すればどのように対処すべきかという答えも見えてくる。

正しい事実認識をすることが先ず第一であり、最大の対抗策と思う。

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