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職場における「批判家(ひはんか)」の対処法

「2:6:2」の法則

職場に必ず存在する「批判家」と共に職場を作る対処法を考える

職場に必ずいるであろう、「批判家(ひはんか)」の対処方法をまとめてみた。ここでいう「批判家」は「批判しかしない人」、を指すが、誤解して欲しくないのはそうした「批判家」を排除することが対処方法ではない。むしろ、そうした人達とも一緒に職場を作る事が重要と思っている。自分の経験からの考察をまとめてみた。是非ご覧を。

1.「批判家」とうまく付き合おう!

どの職場にも、またどの社会にも「批判家」の人はいる。いつも否定的な事ばかりを言い、批判をすることが自分の存在意義かのごとくに振る舞う。

この「批判家」の人は、学歴・年齢・性別を問わない。また、場合によって批判的にもなり積極的にもなるので、必ずしも「この人が批判家」と言い切れる物でもない。あるときは「批判家」に、またあるときには「積極的な人」にもなる。
また、ここで言う「批判家」は、批判をする人全般を言うものではないことに注意したい。批判が悪いわけではない。
ここでいう「批判家」は、「批判ばかりの人」「批判しかしない人」として考えたい。そうした人が問題で、それらの人を「批判家」として考えてみたい。

「批判」の3段階
「批判」の3段階

私はおそらく「批判家」の方ではないと思う。もちろん、そうなるときもあるが、基本的に「批判だけする」暇があるなら、次の方法を考える人間である。

そんな私にとって「批判家」との付き合いは、大きな課題となる。正直、そんなに批判ばかりしていて楽しいのか、と、理解できないためである。しかし、私の社会人経験の中でこの「批判家」とうまく付き合わないと、組織あるいはグループはうまく回らない、と痛感するに至った。なぜなら、こうした「批判家」は必ず一定数いるからである。それがいない組織・グループに出会ったことがない。全員が「積極的でポジティブ」などという組織や部署など見たことがない。

とはいえ、こうした「批判家」は仕事をしないわけではない。仕事をしないなら論外だが、仕事をしつつ「批判」を繰り返す。そんな人達ともうまくやるのが「仕事」である。
すなわち、「批判家とはうまく付き合いながらやっていかないといけない!」というのが結論であり、その方法について、私なりの考察を述べていきたい。

なお、ここで誤解して欲しくないのは、ここでの考察は必ずしも「上司としての立場での考察」ではない。「その職場での対処の仕方」としてである。
「批判家」は部下とか同僚だけでなく、年齢が上だろうが、役職が上だろうが、必ずいる。経営者・役員でも「批判家」は相当いる。

そしてそういう人との付き合いは本当に疲れる。そんな「疲れる」ことではあるが、「うまく付き合わなければいけない」という課題について、私なりの経験をまとめてみた。

2.「批判家」とは?

(1) 「批判家」とは?

批判家」というといろいろあろうが、ここで分かりやすく定義するなら、とにかく「批判」が大好きな人で、しゃべる時間の大部分を「批判」に充てている人である。

「批判」は多くは「人」を対象に批判するのがすぐに思いつくが、会社においてよくあるのが「ルールに対する批判」あるいは「組織に対する批判」である。
こうした批判に付け加えれば、「私はがんばっているが」が付くことが多い。「私はこんなにやっているのに、あの人はサボっている」とか、「この部署が悪いから私は全然評価されない」とか。

そして、私の考える「批判家」で必ず共通するのが、「批判するだけで、対案を考えない」ことである。「批判」をする時には言葉がどんどん出てくるが、「どうすればそれが良くなるあるいは解消するか」の「対案」になった途端、見事に口数が減る。

「批判を言う」より「対案を出す」の方が難しいのは分かるが、この豹変ぶりは笑えるくらいに顕著に現れる。

「批判家は対案を出さない、若しくは対案を考えられない!」のである。

(2) 「働きアリの理論」から見る「批判家」

すこし「組織論」を述べたい。「働きアリの理論」と言われる法則である。別名は「2:6:2の理論」と言われるそうだが、組織を考える上で、私がいつも意識するものである。イタリアの経済学者のパレートが発表した「パレートの法則」の変形バージョンであるが、ここでは「働きアリの理論」で話を進めたい。

「働きアリの理論」とは、Wikipediaで言えば下記の通りである。

・ 働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
・ 働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
・ よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、「2:6:2」になる。
・ よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた「2:6:2」の分担になる。
・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり「2:6:2」に分かれる。
・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり「2:6:2」に分かれる

あまり科学的ではないかも知れないが、私もこの法則は非常に近いと思っている。面白いところは、働くアリだけを集めてもその組織は「2:6:2」になってしまうという点である。

私も社会人としていろいろな仕事をしたが、この法則は私の実経験ともほぼ同じに思える。どんな組織・グループにも必ず批判だけをする「批判家」は必ずいる。そして一方で、どんな組織・グループにも必ず前を向いて働く「働きアリ」もいる、と実感する。

「2:6:2」の法則
「2:6:2」の法則

ただ、この「2:6:2」の法則は、私なりの視点を加えていつも見ている。先のWikipediaにあったような「働くか、サボるか」の視点で「2:6:2」を見ていない。仕事上でサボるのは論外である。全員仕事をする前提で見る。

私の見方は「積極的に働くかどうか」で「2:6:2」を見る2:6:2」で「働く方」に分類されるのは「積極的に働く」人達である。すなわち仕事に対してどんどん工夫を加えていくタイプを指す。
その逆で「2:6:2」で「サボる方」に分類されるのは、「仕事に対して消極的」な人、すなわち「現状批判ばかりするが何も変える気がない」という人々を言う。それはここでいう「批判家」にあたる。つまり
「批判家」は必ずどんな組織にも一定程度存在する。

3.これが「批判家」との付き合い方!

(1) 対処①:「批判」を話させない、若しくは「批判」を話す時間を短くする

「批判家」を否定しているようではあるが、「批判家」自身も批判ばかりしていては実はその本人のためにならない。「批判」はしゃべればしゃべるほど盛り上がり、時間はどんどん過ぎるが、全く生産性がないどころか、知らずに敵を作ってしまうこともある。

そんな人に対する対処として先ず言えるのは「批判」を減らすよう促すことである。「話を聞かない」ことではない。話を聞きつつも、話題を変えていったり、あるいは調子よく同調して話を切り上げる。

「なるほど、そんな問題があったとは。勉強になった。」と同調しつつ、話を切る。または、「その問題は大変だけど、それを言うならこっちのケースの方が大問題じゃない?」などと、話題を変える。
あるいは、あまりに「批判」が続いたら、あからさまに不機嫌な顔をする、というのもそれなりに効果を発揮する。だいたい、同調しない人には「批判家」は話してこない傾向がある。

とにかく、批判するだけが目的での話なら、聞く側は単なる時間の無駄にしかならない。あるいは、一緒に悪口を共有するくらいの楽しさはあるかも知れないが、その程度である。そして話す方も、話したところで問題を解決する気も無いので単なる「ストレス発散」にしかならない。というより、話すだけでストレスが発散されるとは思わないので、結局、話す側にとっても無駄な時間とすら言える。

つまり、「批判だけの話」は、話す側も聞く側も「時間の無駄」でしかない。そういう話なら、とにかく時間を短くすることが基本的な「対処法」である

(2) 対処②:「対案」を出すように話を持って行く

とはいえ、「批判家」の批判を聞かないわけではない。「批判」そのものは否定する物ではなく、むしろ「問題意識の表れ」として重要と思う。しかし、「批判だけ」だったら時間の無駄である。

そこで私が意識する対処法が、「批判」の「次に行く」ことである。すなわち、「批判」があるなら「対案」を出すように促す。これは、部下であっても上司であってもである。

部下に対してならば、
「そんな問題点があるなら、どうしたらいいと思う?一緒に考えてみない?」
と、聞いてみる。
上司に対してならば
「おっしゃる批判は良く分かりました。となると、部署としてどのように振る舞うべきかを教えて欲しい」
と投げかけてみる。

「批判」の3段階
「批判」の3段階

「批判家」は「批判」だけにしてしまうと、本当に「批判家」になってしまう。それに対する「対案」を考えるようになれば、「批判家」ではなくなるそして、対案を皆が考えるようになれば、その部署・会社はどんどん良くなっていく。

「批判家」から「対案を出す人」へと導く、これが「対処方法②」である。「批判家」を脱する最も重要な対処方法が、この「対案を聞く」と思う。

(3) 対処③:「批判家」を遠ざけるか、単純作業に徹しさせる

最後の方法は、逃げの手段である。とにかく、批判を聞かない、あるいはしゃべらせない、ようにする。その人を遠ざけるか、それだけしゃべる時間を作らせないように「単純作業」を割り当てるか。

先に記述したとおり「批判」だけなら何の生産性もない。他への影響を考えれば、むしろ「害」にもなりうる。
批判や悪口を共有することで、多少の感情の共有は出来るかも知れないが、仕事上は「時間の無駄でしかない」といえる。事実を知る上での「批判」はあり得るが、「批判」を職場で延々と続けることは、本当に意味がない。聞く側はもちろん、話す側にも「害」でしかない。

ただし、職場外の飲み屋で盛り上がる話題としてする分には、「害」どころか話のネタとして話されることは十分意味があると思う。個人的にはあまり悪口で盛り上がるのは好きではないが、確かにそういう時間があることも否定は出来ない・・・。

職場では「批判」だけの「批判」はできるだけ短くすべきである。しかしそれでもひたすら話す相手には、最終手段は「聞かない」ことしかない

あまり良い方法ではないが、本当の「批判家」はいるわけで、とにかくそういう人にはしゃべらない環境を作るか、遠ざけるか、そうした方法しか思いつかない・・・。

4.「批判家」を否定してはいけない!

「批判家」の対処として考えた時に、誤解して欲しくないのは「不要な人」ではないことである。「批判」自体は、よく言えば「問題意識を持ってみている」とも言えるし、実際「批判」の中から大きな改善が生まれるものである。

だから、けっして「批判家」を否定してはいけない大切なのは、「うまく付き合うこと」である。一番いいのは「批判家」が次の段階とも言える「対案(改善案)を出す人」になり、更に次の段階の「対案(改善案)を実施する人」になることである。

といっても、そうならなかったとしても「批判家」は「批判家」で仕事仲間であることは間違いない。うまく付き合いつつ、良い方向に行くことを願う、というのが付き合い方と思う。

5.しかし「批判」は「批判」を増長させるので、早めに止めるべき!

しかし、特に仕事の上で「批判だけの議論」は何も生まない。「対案」がなければ、単なる時間の無駄と言える。更に言うと、「批判」というのはどうしても盛り上がるので時間をとってしまう

しかし、こうした「批判」ばかりになると「批判」が「批判」を呼んでしまう。結果、職場もそこにいるメンバーも「すさんだ」考えになってしまう。「批判」ばかりの部署・グループにはならないように、強く意識しないといけない。

そのための私なりの対処方法が、先に書いた3つである。

対処①:「批判」を話させない、若しくは「批判」を話す時間を短くする
対処②:必ず「対案」を出すように聞き続ける
対処③:「批判家」を遠ざけるか、単純作業に徹しさせる

あくまで私の考える対処方法だが、とにかく、自分の職場・グループを「批判」で盛り上がるようにはしないこと、である。

6.皆で楽しくお仕事を!

職場でのマネジメントの仕方、ということは、いろんな本があり、いろんな人がいろいろな事を言っている。それらをあまり見たことはないが、おそらくどれも「正解」なんだと思う。

私もいろいろ経験し、いろんな立場で仕事をしてきている。そんな中で「批判家」という切り口を無意識に作っていた。そしてそれは、どこの組織でもあてはまる、と実感している。

文中でも何度も表現したが、あくまで「批判家」を否定するものではない「批判家」も大事な職場の仲間であるからこそ、そうした人達も含めた場合の職場の持って行き方、を考えているつもりである。
それは自分が上司かどうかは関係がない。毎日行く職場を少しでも有意義なものにし、充実した物にするという観点で過ごしていくと、職場も良くなると思う。そういう意味で「批判家」に対しては、手を打つことが重要と思う。

「皆で楽しく仕事を!」と言う観点で、参考にしてもらえると幸いに思う。

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