百害あって一利なしの「消費税10%への増税」を考える

百害あって一利なしの亡国としか言えない政策「消費税10%への増税」について考える。

2018年10月現在の今、まさに日本を今後も含めて完膚なきまでに衰退させる政策が進められようとしている。消費税の増税である、最悪のタイミングで、かつ全く本質を欠いた議論で進んでいるにも関わらず、なぜか国会・マスコミ、そして世論までもが、これを賛成あるいは「仕方がない」と見ている。「仕方がない」どころの問題ではない「消費税の増税」について、過去の推移をみながらまとめてみた。是非ご覧を。

1.消費税の10%へ増税の方向性と過去の経緯

消費税の10%への増税を巡る議論が、ほとんど終着したように、新聞・テレビなどのマスコミで報じられている。増税は決定事項のごとく進んでいる。
たしかに、旧民主党政権自体に、自民党・公明党・旧民主党とのいわゆる「3党合意」により決められた路線といえる。しかし「3党合意」は2012年の民主党野田政権時代のもので、今の政治・経済状況と著しく異なる。それでも、それを根拠に進めようとする姿勢には疑問を感じずにはいられない。

消費税を巡っては、それを増税することによって、時の政権はほとんど討ち死にに近い状態になる。その後の選挙では、ほぼ間違いなく大敗する。

消費税と政権の歴史

消費税と政権の歴史

唯一の例外が、2014年に5%から8%へ上げた、安倍政権だけだった。その上それ以降、2012年の3党合意に基づく法律から手続きを遅らせ、2014年・2016年に2度にも渡り消費税の増税を先送りした。ここまで財務省の作った路線を覆した首相はいないだろう。もし安部首相でなければ、とっくに消費税は10%となっていて、その政権は存在していなかっただろう。

ここまで政治的に危険のある消費税の導入(増税)を誰が主張するのか。答えははっきりしている。旧大蔵省であり、現在の財務省である。彼らはそれが自分たちの存在価値であるかのごとく、経済の合理性を無視ししてでも消費税の増税を主張してきた。時の政権は使い捨てのようにしながらである。

2.消費増税の根拠の嘘「国の借金」と、財務省による世論操作

消費税の増税の主張として、一般的に言われるのは。常に「財政赤字」であり、「国の借金」である。「日本はこのままではダメたなめ増税しかない」、しかも「税金は消費税でないといけない」、とずっと主張し、財務省の持つ権力を駆使して、世論を誘導し政治家を洗脳し着実に進めている。

その根拠の最も大きいものが、このままでは国が破綻するためそうならないようにする、というもっともらしい主張である。その主張の時に必ず挙げられるのが、今の日本の財政状態では「国の借金」が膨れ上がり国が破綻する、という論法である。結論から言えば、この根拠は根底から間違っていて、国民の不安をあおるための議論でしかない。日本の財政状態は、世界有数で健全である。だからこs、国債が暴落しないのである。詳細は過去記事(➡「国の借金」にまつわる嘘を、資産(B/S)の観点から斬る!)を参照してほしい。当然、財務省もわかってやっているとしか思えないが、あくまで彼らの目的、あるいは自分たちでそれを存在価値と思い込んでいるのか、彼らの目標は「消費税を上げること」だけなのである。ただし、そう思ってない人もいるので、正確には、財務省の「主流派」と言うべきではあるが。

財務省オオカミ少年論(田村秀男)

財務省の世論操作はかなり執拗である。今回の軽減税率の対象は、なぜか「食料品」と「新聞」である。それを見ても、裏でどういう取引が行われたか見て取れるし、新聞がまったく消費税の増税に反論しない理由が見えてくる。そして、財務省の論法をそのまま垂れ流すどころか、更に不安だけをあおるように報道する新聞・テレビの姿勢は、消費税の増税を通じて見ればその本質が見えてくる。

しかし、その真実はようやく出るようになってきた。そのあたりは、田村秀男上念司氏高橋洋一氏三橋貴明氏宮﨑哲也氏田中秀臣氏などの論を是非見てほしい。

では、消費増税は、根拠が薄いという事だけが問題かというと、全く違う。消費税の増税は、「その根拠に乏しい」というだけの話のレベルではなく、経済全体に悪影響を与え、むしろ日本の状況を最悪の方向に持って行く。「財務省が言うのだから」「新聞も賛成しているから」とかいうなんとなくの理由で動いていいものではない。日本経済及び日本国民に重大な影響を与える。

3.消費税を増税しても、全体の「税収」は増えるどころか減る

たしかに、日本政府の歳入・歳出のバランスの悪さ、借り入れ依存はかなり大きくなってきている。これは、必ずしも好ましい状況ではない。下記に、ここ30年の税収と国債の発行状況の推移を示す。

税収・歳出・公債発行額の推移(財務省HPより)

税収・歳出・公債発行額の推移(財務省HPより)

上記のグラフの通り、平成に入ってから税収は減った一方で、歳出は大きく増えている。「ワニの口(くち)」と言われる。グラフの赤線と青線との開きは大きくなっている傾向がある。ただ、税収は平成から減っているが、ようやく第二次安倍政権が適切な政策をしたため急速に改善し、平成元年頃の水準に近づいてきた。

今回の議論はあくまで、「税収」の側をどう分析するか、という論点のため、税収に絞ってみていきたい。では、税収を増やす目的で消費税を増税するということは、果たして正しいのか。これも結論から言えば、明確に「NO」である。消費税率のアップは、当然経済全体を萎縮させ、他の税収に大きく影響を与える。下記に、主な税収の内訳の推移の表を示す。

税収の内訳と消費税の増税(財務省HPに加筆)

税収の内訳と消費税の増税(財務省HPに加筆)

上記の図は、財務省のHPのグラフに消費税の増税時の政権を加えたものである。

グラフの見方は人それぞれなので、いろいろあるが、これを見て言えるのは、大事なことは「消費税」だけを見ることではない、ということである。竹下首相の消費税導入時、及び橋本首相の消費税増税時には、かならず停滞があった。消費税はその名の通り「消費」に大きく冷や水をかぶせる。「消費」に冷や水を浴びせると、それは当然、会社の収益に影響する。会社の利益は減り、個人の給与も減らすことになる。それは、法人税・所得税の税収を減らす。それが如実に出ている。消費税の増税は、むしろ税収を減らす作用が大きいのである。

では、安部首相の時にはなぜそれが起きなかったのか。それは消費税の増税に伴い数々の施策を講じたことが大きく、むしろその手を非常に適切に打った事が評価されるべきである。その一番大きいのが、「金融政策」といわれる手段であり、単純に言えば貨幣の量を増やして企業や個人にお金が入りやすくした。その結果、失業が減り少しずつだが給与が上がろうとしているところまで来たのである。

このタイミングで消費税率を上げれば、何が起こるか簡単に想像できる。消費は減り、企業は収益が減ることに対するために採用を減らし給与を減らす方向に動く。日本全体が停滞するのは目に見えている。結果、税収を増やすはずの目的が、他の税収を減らしそして全体を減らしてしまう。また「失われた20年」が始まるのである。

では、消費税は絶対に増税してはならないのか、というとそれも「NO」である。景気が過熱したときには、非常に有効な方法であり、また逆の発想もしかりである。むしろ「減税」すれば、わずかでもそのアナウンス効果は絶大と言え、大きく消費を刺激するのである。大切なのは、全体の戦略でありタイミングである。その議論が全くされないまま、「3党合意にあるから」ということで進むことは、全く経済を無視したアプローチと言える。

4.国の税収を増やすには、「経済成長」以外にあり得ない

消費税の増税が及ぼす影響は、計り知れない。「消費税の税収のグラフが変わる」、というだけでは全く無い。それ以外の税収にも大きな影響を与えるばかりか、未来に渡りかなり長く効いてくる。消費税とはそういう税金なのである。

税収とGDPの関係

税収とGDPの関係

では、税収を増やす王道は何かと言えば、「経済成長させる」以外の何物でも無い。経済成長は、当然、すべての税収(法人税・所得税・消費税など)にすべて効いて、全体を押し上げる。それが日本全体の収入をふやすのである。

添付のグラフは、GDP(名目)の推移と、税収の推移である。経済成長の指標はいろいろあるが、名目GDPが一番実感に近い。その推移と税収とは、ほぼ連動する。当たり前と言えば当たり前のことではある。税収とは、国全体の生産の一部を徴収するものであるから、国全体の生産が増えれば当然増えるのである。

政府の借金の返済の財源は、「経済成長」そのものである。

5.不景気はすなわち「殺人」。亡国の政策は国を沈ませる。

消費税の増税は、単なる税収だけの話にとどまらない。間違いなく、「景気」そのものに多大な影響を与える。しかもこのタイミングでやることは、どれだけ危険か、新聞・テレビでは言われないが、識者では自殺行為のように言われている。

失業率と自殺者数の推移

失業率と自殺者数の推移

「自殺行為」というと、単に安倍政権・あるいは財務省の自殺行為に聞こえるかも知れないが、全部国民に跳ね返る。子供達の未来に直結する。まさに、日本と日本の未来の「自殺行為」である。

添付したグラフは、失業率と自殺者数の推移であるが、この二つの指標は実に高い「相関」があるといわれる。すなわち、非常に連動するといっていい。少し前まで、自殺者数は発表だけでも年間3万人を超えていたが、安倍政権の適切な経済政策により、大きく減少し2万人を切りそうなところまで来た。毎年の話であり、経済の影響による自殺となると、その家族にも多大な影響を与える。これだけ見ても、安倍政権の功績は計り知れないほど大きいと思う。安部首相の前の自民党も含め、3万人台の時には、本当にこの国は狂っていると思ったものである。まだ高いが、やっと良くなってきた。

ところが、「消費税の増税」という形で、またこの時代に戻そうかという政策がなされようとしている。新聞・テレビのメディアも結託してである。一人の日本人として、親の世代の責任を持つ者として、なんとしてもこの政策をやめさせられないものかと思うが・・・。

6.止められるのは「国民世論」のみ

消費税の増税は、まさに百害あって一利なし、といえる。消費税の税収は増えるかも知れないが、その結果消費は冷え込み、他の税収は減る。日本は更に停滞し、おそらくそれは安倍政権を短命にするだろう。それを望む国内・国外の勢力にいいように利用される。

安部首相はおそらくわかっていると思われる。でなければ2回も延期していない。そして閣僚の発言等を見ると、必ずしも「決定」という文言を使っていない。首の皮一つで進みつつ、どこかで覆す状況を狙っているようにも見える。しかし、自民党の中からもそれを安部首相にやらせよう、という勢力は相当数いるため、なかなか難しい政治判断を迫られている。

それを正しい方向に主張できるのは、まともな野党が全くいない今、ただ一つ国民世論だけである。正しい知識を持って国民の大きな後押しがあれば、財務省の牙城は必ず崩れる。財務省の言いようにされてきた政治・経済運営を、今回こそ覆さないといけない。

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コメント

    • ゆうじ
    • 2018年 10月 29日

    安倍政権で消費税増税と景気低迷がリンクしなかったのは、総じて右肩上がりであった世界経済とも関係しているのではないでしょうか。であるとすれば、米中貿易戦争真っ只中(更に激化)での増税は実経済的にも心理的にもやるべきではないですよね。加えて、貿易戦争でチャイナの覇権野望を食い止めるチャンスに水を差すことに…イコール、外交的にも日本の首を絞める。いずれにしても、日本国民(自分達)のために増税反対の声を高めていきましょう。虎ノ門ニュースの青山氏説明でビックリしましたが、補正予算での見直しまで加味すれば、消費税決定のリミットは5月なんですね。まだまだ時間はあります!

      • てつ
      • 2018年 10月 29日

      「リーマンショック級」というのは、いくらでも言えるので、是非やめてほしいですね。

      増税したらそれこそ「リーマンショック級」になります・・・

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