「大麻は危険」という嘘を、日本の大麻の歴史と共に見る
「大麻」というと「麻薬」のイメージがあり「危険な物」と認識している。芸能人が「大麻所持」というニュースも多い。しかし、「大麻は危険」というようになった歴史を見ると、どうも今の「常識」がおかしいことに気づく。日本人と共にあった大麻について考えてみた。
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1.「大麻は危険!」の嘘
私は特に「大麻」について知見があるわけではなく、「大麻は危険!」という認識しかなかった。しかし大麻の日本での歴史や禁止となったいきさつを知れば知るほど、どうも単純に「危険」というのはおかしいことを知った。
もちろん、全く危険ではないとは思っていないが、どうやら「危険」という話自体は完全な「すりこみ」で、本当のところは疑わしいことも事実のようである。
具体的な「医学的見地」はないが、いろいろ調べると下記のようなことが見えてくる。
・ 「依存性がある」といわれるが、タバコのニコチンに比べて遙かに低い。
・ 幻覚作用はそれほど大きくない。
・ 世界的に「合法化」の動きが進んでいる。
・ 日本では、縄文・弥生時代の一万年も前から使われていて何の問題も起きていなかった。
詳しい「薬効」についての詳細はさておき、全体で言うと上記の通りである。特に日本において、「大麻は危険」というのは突然言われていつの間にかすり込まれた「事実」だった。縄文・弥生時代の一万年も前から使っていた大麻について「危険」と言い出したのは、日本人自身ではなく第二次世界大戦後のGHQの指導によるものだった。極めて唐突に、そして強引に。
しかも、そのGHQの中心であるアメリカにおいて、大麻(マリファナ)の合法化が進んでいるのである。それでも日本では「危険」と言い続けるのか?
2.日本の大麻の歴史
(1) 日本の歴史と大麻
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日本における「大麻」の歴史は、そのまま日本の歴史と言ってもいい。
大麻は縄文・弥生時代の頃から日本人の生活に欠かせない植物だった。すなわち一万年も前から共に生きてきた。
といっても、いわゆる麻薬のような嗜好品として使用してはいない。私たちの祖先は、大麻の実を食用にしたり、大麻の繊維で布を織って衣服を作っていた。特に、大麻の繊維はさまざまな場で活躍してきた。軽く、風通しがよく、丈夫な麻布を使った衣服は庶民たちに親しまれていた。また、栽培が比較的簡単なため、各地で栽培されていたのである。
衣服のほか、縫い糸、漁網、縄といった道具の原料としても使われていた。まさに、生活に密着した植物だったのである。
1298年に書かれたといわれる「マルコポーロの東方見聞録」で「黄金の国ジパング」という表現がある。これが一説には『大麻草から作られる「精麻(せいま)」』のことを表現したと言われる。精麻(せいま)は、大麻草の茎から精製される繊維である。黄金色で独特の光沢があり、柔らかくなめらかで同時に丈夫であるという特徴を持っていた。マルコポーロがこれをみて「黄金」と見間違うのもありうる、と思うほどである。
日本の和柄の代表の一つとも言える「麻の葉模様」は今も親しまれている。「麻(大麻)のようにすくすく育つように」と幼児用の服に好まれて使われたという。今にも生きる伝統といえる。
また、「麻」を用いた表現は万葉集のみならず、古事記、日本書紀、常陸風土記、古今集、枕草子、方丈記、徒然草などにも出てくる。如何に麻(大麻)が、生活に根付いた植物として、日本人と共に生きたかが分かる。
(2) 神事などに用いられる「大麻」
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日本の「神道」の世界では、大麻は神霊が宿る“神聖な植物”として扱われる。
神社では、お祓いに使う「祓串(はらえぐし)」は別名「大麻(オオヌサ)」といい、本来は麻布を使うのが正式である。
現在は、「紙」を用いているものもある。
そのほか、神社の境内にある「御神木」には大麻の繊維で出来た「注連縄(しめなわ)」が巻かれる。
また、相撲はもともと神事として行われていた歴史があり、横綱が巻く綱にも大麻の繊維が使われる。
まさに伝統として使われていた大麻が今禁止されている。特に国産の物は非常に限定され価格が高騰しているため、神事において「国産の麻」が使うことが極めて困難な状態となっている。
(3) GHQによる突然の「危険認定」
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日本においてそれほどに深く根付いていた「大麻」は突然「危険な物」に変身する。それが、第二次世界大戦後のGHQの政策によるものである。戦後間もない1948年に成立した「大麻取締法」により、日本では「所持すら」禁止されることになった。
当初はこれほどまでに一般化した大麻を禁止するなど不可能と言われていた。しかし、やはり規制の力は強く、今に至る。GHQが大麻を禁じた理由は「当時のアメリカで健康被害が出ていたから」、とか、「日本の神事の破壊を狙った」とか言われる。
しかし、日本ではアメリカのように大麻を嗜好品として「吸う」などという文化はなかった。にも関わらず、大麻そのものを一切禁止したのである。
3.現在の神事の状況
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現在の大麻は、日本では厳しい規制の下で許された農家だけが自治体の長の許可を得て栽培している。その数は10件程度である。そのため、国産の大麻の価格は昔と比べものにならないくらい高騰している。
そして、神事で使うものは、なんと輸入の大麻、特にChina(支那)からの輸入に頼っているという。日本の伝統神事の重要な道具を他国産のを使ってまで行うとは、本末転倒も甚だしい。下記に、産経新聞のウェブニュースを示す。
神社関係者らが申請した玉串や注連縄(しめなわ)などに使われる神事用大麻の栽培について、三重県が許可しなかったことが波紋を広げている。大麻トラブルが相次ぐ中、県は代替品の存在や盗難の危険性を不許可の理由に挙げる。ただ神事用大麻は国産品が激減、いまや9割が中国産という現状にある。神社関係者は伊勢神宮(同県伊勢市)がある地で「伝統を継承し、神具を国産品でまかないたい」との思いが強く、再申請も検討。伝統と大麻をめぐる論争はなお続きそうだ。
産経West 記事より
神事に使う大切な大麻までも、China(中国)に頼るとはなんということか!?
しかも、その「大麻は危険」というのは、戦後間もない時期に違う国からの強制でやられて、更にそれを強制したアメリカでは「合法」にしているというのに!
縄文・弥生から続く「大麻文化」をこのまま滅ぼしていいのだろうか?
4.せめて神事には「日本産の大麻」を!
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私も含めて「大麻は危険」というのは染みついている。しかし、それは戦後のわずか70年程度に植え付けられた話でり、我が国は他の国とは比べもようのない年月を大麻と共に生きて生きてきた。しかも、平和にいろいろな用途で使ってきたのである。
特に「大麻を合法に」と言いたいのではない。それなりの「麻薬」としての効果があるのかは私は知らない。しかし大麻と日本の歴史と「禁止の状況」を見た上で、せめて神事用の大麻の栽培は認めるべきと強く思う。いつまでGHQの呪縛にとらわれるのか?
日本の先祖の伝統を大切にしていくべきと思う。
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