- 2018-11-9
- 食と生活
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美容や健康で注目されている「菌」の重要性を、「腸内フローラ」の視点や古事記などで語られている内容を通じて見てみよう!
最近、健康に気をつけた食事にこだわっている。それを追求していくと、「菌」というものの重要性に行き着く。もっと言えば、それを大きく司る「腸」の話となる。そしてその「腸」であったり「菌」は、日本古来から重要視されていることが見える。そんなことを考えてみたので、是非みてほしい。
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1.健康と美容を意識すると「菌」を意識した食事に
私は、食にはこだわるようにしている。あまり量は食べないが、いろいろ調べていい食事に心がけている。すると、健康を追い求める食事と女性の美容を求める食事は「免疫」という言葉をキーワードに非常に似通っていることに気づかされた。
そんな中で、「菌」をキーワードとした食事は気がついたら増えてきていた。甘酒を筆頭に、ヨーグルト・納豆は、毎日意識して食べている。
2.人間は「菌」で出来ている!
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人間を構成するのは自分の細胞だけではないらしい。細胞の数は数十兆らしいが、それに寄生する微生物(「菌」)が数百兆存在するそうである。そうした論文がイギリスで出ている。「超有機体」という考えらしく「人間とは、ヒトの細胞と微生物とが高度に絡み合った集合的有機体とみるのが適切だ」と考えるそうである。
深くは知らないが、基本的には私の考えに非常に合致するので、興味深く思った。
私の考えとして、病気等になったときには、それと戦う体内の何かがいて、私という体を舞台に戦ってくれていると思っている。それにより治っていく場合もあるだろうし、ダメな場合もあるだろう。でも自分の体の何かが常に努力してくれている、という考えは、いつの頃からか持っていた。「自分」という生命は自分一人ではない、という漠然とした思想は、なぜか頭から離れない。
それが「超有機体」と合致するかどうかはわからないが、今、食事を気にするようになって、「菌」を大切に食べるという発想に非常に共感を持つことが多い。
3.腸の重要性と「腸内フローラ」
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テレビを全く見ない私ではあるが、「腸内フローラ」という言葉は一時期か今もか、かなりの市民権を得たようである。要するに「腸内の菌」を総称するようで、「腸」特に「大腸」の機能を重視した場合によく用いられる表現のようである。
私は全く別のアプローチからだったが、「腸」は非常に大事であると改めて思わされた。いわゆる「免疫力」とよばれる細胞は、腸内において70%作られていると言われる。また、医学の世界では「第二の脳」ともよばれるそうである。腸と脳は自律神経はホルモンなどを通じて、非常に密接に連絡を取り合っている。どちらかが悪いと、どちらかに影響を及ぼすことは、医学的にはっきりしているようである。自閉症やうつ病の治療にも、腸の状況が注目されている。腸は「第二の脳」ではなく「第一だ」という医師もいるようである。
それほどに重要な腸とそれを構成する腸内の菌を大切にすることは、実は古来から言われていたようである。
4.古事記における神様「大宜都比売(オオゲツヒメ)」
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私が古事記を読む中で、不思議に思いながらも頭から離れない神様がいる。漢字の書き方は幾通りもあるが、「大宜都比売(オオゲツヒメ)」のエピソードは、なぜか心に残る話だった。
古事記の中の大宜都比売(オオゲツヒメ)
古事記の中で「大宜都比売(オオゲツヒメ)」はあまり出てこない。最初の頃に、須佐之男命(スサノオノミコト)が暴れまくって遂に天(髙天原)から追い出される事となったときに、ご飯を振る舞ったのが「大宜都比売(オオゲツヒメ)」である。ただ、すぐに須佐之男命(スサノオノミコト)に殺される。なぜなら、その作り方が、あまりにグロかったためである。オオゲツヒメは鼻や口や尻からいろんな食べ物を取り出して、いろいろと料理を作りそろえて献上したが、スサノオの命はその様子を覗き見して、汚らわしいものを献上すると思って即座にオオゲツヒメを殺した。
こうして殺されたオオゲツヒメの体から、頭から蚕が生じ、両目からは稲の種が生じ、両耳からは粟が生じ、鼻からは小豆が、陰部からは麦が、尻からは大豆が生じた。これが五縠の起源とされる。これを見た「カミムスビノミオヤの命」はこれを取らせて種とし、地上に降ろした、といわれる。
このエピソードはなかなか強烈だった。「陰部」とかの直接的な表現も古事記らしく思う。古事記にはなんの意味も無い逸話はない。必ず何かの示唆があったり、当時の考えが入っている。そこで、このエピソードをどのように理解するのかは学者でもいろいろあるが、私としては単純に、「人とは人そのものが細胞の固まりであり、食物もそうした一部として大切に」と考えている。「腸内フローラ」の話を聞くと、よく思い出すエピソードである。蛇足ながら「オオゲツヒメ」を祭った神社は、徳島県の上一宮大粟神社などが有名なので、興味のある方は是非。
なお、上記の漫画は「マンガでわかるシリーズ 古事記」から抜粋させてもらった。興味ある方は是非。
また、古事記にはよく「蛇」がでる。神の化身としての位置づけである。これも「腸」を意識したものであるという説がある。腸を実際に見た人に言わせると、腸はくねくねしまさに蛇のようであるらしい。それを「神の化身」の蛇として位置づけるという考えがあるというのなら、非常に興味深い。
5.新渡戸稲造の「武士道」にみる「切腹」の意味
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話変わって、新渡戸稲造氏が書いた「武士道」にも、「腸」を巡るエピソードがあったことをお伝えしたい。前提として先に説明しておくと、新渡戸稲造氏は明治維新が終わったあとの、日露戦争(1903年)の頃に、「武士道」を書かれた。その内容は完全に誤解されているが、非常にユーモアあふれる文書で、当時の日本人像が生き生き改定ある。新渡戸稲造氏自身はクリスチャンでありアメリカ人の妻を持った人である。非常に開明的な人で、だからこそ開国した後の日本人の誤解を解くために「英語で」まとめたのが、「武士道」である。是非、読んでほしい一押しの本である。本当に面白いし、現在の日本人にとって考えさせられるものである。
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その「武士道」において、「切腹」のことが書いてあった。細かな内容はここでは述べないが、そこにあったのは、古来より「腹」すなわち「腸」は魂が宿るところ、と考えられていたようである。だからこそ、それを切り、苦しむ姿を見せるように刀を下に引いて腹を開らくのが「切腹」であった、と表現されていた。江戸及び古代から、「腸」の重要性の認識はあったようである。
6.「菌と共に」の意識で食事をすることの勧め
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話は戻り、現代で考えると、今、いろいろな病気が増えている。また、従来にはなかった自律神経障害やうつ病などが騒がれる。そんな中で「腸」が注目されている。「腸」の注目はすなわち人間の「免疫力」へのアプローチと言える。「免疫力」という名の研究は、先にノーベル賞を取った「本庶教授」の「オプジーボ」など、まさに人間の免疫にアプローチするという、西洋医療において従来にない手法の発想の転換である。
免疫力の低下は言われて久しい。花粉症もその一つである。それは、食べ物がコストばかりを重視したために、全く貧困になったことが大きな要因の一つにあるように思う。また、あまりに「無菌状態」を目指しすぎ、本来の「菌」がいなくなってきたのではないか?
人間の思考も同じである。「第二の脳」とまでいわれる腸に元気がなくなると、第一の脳にも大きく影響するようである。そしてもちろん、体全体の免疫を司る腸が崩れれば、体も悪くなる。
私の考えではあるが、私の体内に無数の共存者がいて、それを司る大事な「ボス」の一人が腸であり、その腸を元気にしてあげるようにしよう、と思っている。古代からの甘酒や納豆、味噌など、日本で卓越した「発酵の技術」があることは、まさに先人達の知恵ではないかと思う。そんな知恵にあやかりながら、現代の軽い食事ばかりに毒されず、そうした側面も見ながら、日々の食事を楽しんで選びこだわりたい。
「菌」と共に生き「腸」を元気に、と意識した食事や生活を楽しんでいきたい。
「いい菌」のたっぷり入った厳選した玄米による手製の甘酒を毎日飲むと、本当にふとした幸せを感じられる。
(甘酒の造り方等は、過去記事 ➡日本古来の「飲む点滴」、甘酒の自家製の勧め!へ!)
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菌も奥が深いね。甘酒毎朝飲んでます!
甘酒、いいっしょ。効果も満点す!